迫り来る「台湾有事」の全シナリオを分析し対応策を探る東洋経済

編隊飛行するF-15J (石川県の小松基地)
編隊飛行するF-15J (石川県の小松基地)

日本も攻撃の対象に

台湾有事が現実味を帯びてわれわれに迫ってくる。少なくともロシアによるウクライナへの軍事侵攻を見れば、次は中国による台湾への武力統一と考えるのは当然のこと。それでなくとも中国は南シナ海での島々の領有権や海洋権益を主張。具体的に人工島を建設し、軍事基地化して制海権を強め、さらに東シナ海においては尖閣諸島などへの領海侵犯を頻繁化させている。

そうした中で週刊東洋経済(8月5日号)が台湾有事を特集した。「迫る『有事』の全シナリオ 台湾リスク」と題し、今後起こり得る可能性について分析し対応策を探る。

その中で、米ジョンズ・ホプキンス大学のハル・ブランズ教授は外交政策専門家の立場から次のように述べている。すなわち、「中国が容易に経済成長を果たし、国際的な影響力を及ぼしてきた時期は過ぎ去っている。問題は、このような事態に直面した場合、国家はより攻撃的になり、今のうちに利益を確保しようとすることだ」と語り、さらに「もし、中国が台湾を攻撃することになれば、日本の領土、日本の港にある米軍基地や軍事アセットを攻撃しない限り、米国に勝つことは難しいだろう」と説明、中国の台湾攻撃は日本への攻撃も含まれることを明言している。

さらに東洋経済は民間シンクタンク「日本戦略研究フォーラム」が主催した台湾海峡危機政策シミュレーションを紹介する。そこでのシナリオは、①中国から日台にサイバー攻撃が仕掛けられ、大規模停電・通信障害が発生。中国人の漁民が尖閣諸島に上陸し施設建設などを進める②中台の軍事的緊張が増し米軍が日本に後方支援を要請、在台湾邦人退避の準備が進む③中国が台湾に本格的に侵攻。在日米軍と自衛隊の基地にミサイル攻撃を仕掛ける―といった具体的な事例に対し、国会議員や事務次官クラスの元官僚、自衛隊OBが参加して有事に備えるといった具合だ。

一方、同誌の記者が分析したシナリオについては、(a)中国による台湾への全面侵攻(b)中国による台湾近海の海上封鎖(c)台湾が実効支配している島々に威嚇のため中国が侵攻とする―という三つのケースを挙げる。ただ、これらのシナリオについて同誌は「実際に行うメリットは中国にない。台湾社会が恐怖して中国に屈服する保証は何もないうえ、島嶼(しょ)部へ侵攻すれば台湾や日米欧諸国の対中警戒感は一層高まり、むしろ最終目標である台湾統一の成功が遠のくからだ」とある意味で楽観的な見通しを立てている。

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