植田日銀の政策修正に「分かりにくい」と読売、産経、高評価の日経

極めて無責任な東京

本紙が特に評価したのは、日経にも指摘があった円安進行の阻止策としてで、このことは植田和男総裁が会合後の記者会見で「為替の変動も含めて考えた」と答えている。

植田総裁がわざわざ会見でこう語ったのも昨年の経験、つまり日米の金融政策の方向性の違いから決定会合のたびに金利差拡大による円安が進行し、高騰する資源価格の一段の上昇をもたらし、歴史的な物価高を招いたからである。

日経には詳しい説明がなかったが、本紙は今回の修正で「長期金利の上昇を1・0%まで容認することにより、米欧が利上げし、日銀が大規模緩和を継続しても円安圧力が抑えられ、昨年のような物価高を招くリスクも低くなると見込まれる」ことを指摘。

目下、大きな経済課題である物価高に対して、昨年のような円安を放置し国民生活に冷たい日銀ではないぞ、という姿勢を見せた点である。

この物価対策を指摘しながら、見出しの通り、批判したのが東京である。「日銀が今回程度の修正をしても、日米の金利差は埋まらず、ドルを買って円を売る動きを抑えるには力不足だ」「効果は限定的だ」というわけである。

確かにそうかもしれないが、現在5%以上ある金利差をどの程度縮めれば、つまり、日本が何%利上げすれば十分とでも言うのであろうか。物価抑制を通り越して景気失速である。現実無視も甚だしく、極めて無責任である。

前向きに捉える朝日

朝日は読売や産経と同様、「変動幅を残しつつ、それを超えることも認めるという運用は、分かりにくさが否めない」と指摘しつつも、物価見通しの上振れが続く中で、「経済情勢の変化に機敏に対応できる態勢をめざすのは当然だ」と前向きに捉える。

昨年の急激な円安進行についても、「当時の日銀のかたくなな姿勢も一因だった」と指摘し、その是正が今回の修正の狙いの一つであることを明かし、「今回の措置が狙いどおり十全に機能するのであれば、事前の備えとして評価できる」と記す。あとは現実がどう展開するかだが、同紙の今回の修正への期待は思いのほか高いようだ。

毎日の評価はこれまで事あるたびに大規模緩和を批判してきたから、その反動という側面が強い感じである。

なお、直近の市場の動きは、各紙が情報発信で日銀に「柔軟に」「丁寧に」と求めても極めて難しいことを改めて実感させる。(床井明男)

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