偽装トランスの女子トイレ侵入を「妄想」と切って捨てたサンモニ発言者

考え異なる発言なし

コメンテーターの法政大学前総長、田中優子も「犯罪が起こるかのごとくに言うのは、そのこと自体が差別だと思う」と切って捨てた。さらには「全ての国民が安心して生活できるよう留意する」との留意条項が加わった同法を、「私は差別増進法と呼んでいる。結局、骨抜きにして、マイノリティーの方に刺さるような法律になってしまった」と嘆いた。これにも唖然(あぜん)とした。逆に、犯罪誘発を懸念することに不安を抱く女性たちを差別する言動ではないのか。性的少数者の中にも、身体男性のトランス女性の女子トイレ使用を拒否感を示す人がいるのだ。

百歩譲って言論の自由の範囲内の発言だとしよう。しかし、放送法は、番組編集に当たっては「政治的に公平であること」(第4条2項)、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」(同4項)と定めている。放送法を持ち出すまでもなく、TBSは性の多様性を尊重せよと言いたいのなら、意見の多様性も尊重し、松尾や田中とは違う考えのコメンテーターを一人くらいはスタジオに呼ぶべきだったが、そんな発言を行う出演者は一人もいなかった。

逆に反発高める恐れ

同法に留意条項が加わったことで、自分たちが「危険」な存在として見られていると受け取り傷ついたトランスジェンダーがいるのかもしれない。その一方で、留意条項が入ったことを評価するほか、そもそも法律は必要ないと主張する当事者も存在するのである。

東京都が昨年3月公表した調査によると、トランスジェンダーで何らかの困難を経験した割合は24・2%だった。そのうち「トイレや更衣室利用で望む性で施設を利用できない」は7・4%だけ。少数者への配慮は必要だが、それが度を超し一般女性の安心・安全を軽視すれば、結局は当事者に対する反発を高めることになるのを忘れるべきでない。(敬称略)

(森田清策)

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