偽装トランスの女子トイレ侵入を「妄想」と切って捨てたサンモニ発言者

女子トイレのイメージ(photoAC)
女子トイレのイメージ(photoAC)

侵入事件は度々発生

身体男性だが「女性」を自認するトランスジェンダー(トランス女性)の女子トイレ使用問題。職員に対し、女子トイレ使用を制限した経済産業省について、最高裁が下した「不当」判決が波紋を広げている。判決が公衆トイレにおけるトランス女性の女子トイレ使用に道を開くのではないか、との声が上がっている。

一方、先月成立したLGBT(性的少数者)理解増進法についても争点となったのは、同じく女子トイレ使用問題だった。女性の権利擁護団体などから、使用を断れば「差別」と言われかねず、トランスジェンダーを装った男の女子トイレ侵入を防ぐことが難しくなり犯罪を誘発するのではないか、との懸念が出た。このため「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」も設立された。

ところが、TBS「サンデーモーニング」(16日放送)のコメンテーターからは、そのような懸念は「妄想」であり当事者に対する「差別」と、断罪する発言が相次いだ。その一人は、タレントの松尾貴史。「トイレに女装して入ってきたら、どうだと犯罪的なことを妄想で語ることで、理解増進に抵抗しようという悪意を持ったデマのようなものが、あまりにも簡単に拡散し過ぎているのではないか、という気がする」と述べた。

これには聞く耳を疑った。なぜなら、女装した男による女子トイレ侵入事件はたびたび起きているからだ。兵庫県宝塚市内で今年4月、ショッピングセンターの女子トイレに、女子高生のような姿をした男(60代)が侵入したとして、現行犯逮捕された。2月にも、公務員(47)が横浜市西区のイベント会場で盗撮目的で女装して侵入し逮捕されている。

これらの事件を例に挙げるまでもなく、女子トイレに侵入したいという不埒(ふらち)な欲望を持つ男が潜在するのは事実。「性の多様性に寛容な社会の実現」を目的とした理解増進法の成立で、トランスジェンダーを装って犯罪行為に及ぶ男が増えるかもしれない、と女性たちが不安を持つことは当然のことだが、それを「妄想」というのは上から目線が過ぎるよう。

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