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スカイシールド参加「オーストリアは十分成熟していない」と地元紙

中立国の旗降ろさず

10日、ビリニュスで会談する(左から)トルコのエルドアン大統領、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長、スウェーデンのクリステション首相(EPA時事)

ロシア軍のウクライナ侵攻を受け、北欧の中立国、フィンランドとスウェーデンの2カ国は中立主義を放棄し、集団的安全保障体制として北大西洋条約機構(NATO)への加盟を決断した。スイスでは中立主義の定義の見直し(「協調的中立」)や武器再輸出法案などウクライナ戦争で生じた時代の要求に対応するために腐心している。

一方、中立主義を憲法に明記するオーストリアではNATOに加盟するとか、中立主義の再検討といった議論はこれまでほとんど聞かれない。欧州の代表的中立国4カ国の中で、オーストリアだけが中立国の旗を降ろす考えはないのだ。欧州で「オーストリアでは中立主義は宗教だ」と揶揄(やゆ)されている所以(ゆえん)だ。

そのオーストリアが1日、欧州の空域防衛システム「スカイシールド」に参加する意思を表明した。「ヨーロッパ・スカイ・シールド・イニシアチブ」(ESSI)はドイツのショルツ首相が2022年8月末に提案した防空システムだ。スカイシールドに参加している国は17カ国で、全てNATO加盟国。スカイシールド参加の表明を受け、「中立主義」と「スカイシールド参加」は整合するか、といった議論がメディアや野党を中心に出てきた(オーストリアとスイス2カ国が7日、正式に趣意書に署名したので、加盟国は現在19カ国)。

オーストリアのネハンマー首相は「ロシアのウクライナ侵略の結果、脅威状況は大幅に増大してきた」と指摘し、オーストリアを取り巻く安保情勢の急変をスカイシールド参加の理由に挙げた。またタナー国防相は「スカイシールド参加はオーストリアにとってマイルストーンだ」と述べ、その意義を強調した。ただし、両者は同時に、「スカイシールド参加でオーストリアの中立性が脅かされるものではない」と強調することを忘れなかった(オーストリア代表紙「プレッセ」)。

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