トップオピニオンメディアウォッチ「地震予知」が死語になったことを如実に表したアエラ「次はどこか」

「地震予知」が死語になったことを如実に表したアエラ「次はどこか」

低い確率でも起こる

その上で地震発生予想の現状について、次の3点を挙げている。分かりやすくするために番号を付けると、①「海底にまで観測装置が張り巡らされている南海トラフではM8以上の巨大地震ならば、とても運が良ければ、事前に予兆を捕まえられるかもしれない。しかしM7程度の内陸地震は現在の地震学ではお手上げ」②「『M7程度が30年以内に70%』とされている首都直下地震も、南関東の南北東西とも約150キロにわたる範囲のどこかで起きるとして予測されていない」③「地震動予測地図で確率が低い場所だから安心とも言えない。日本海中部地震(1983年)、福岡県西方沖の地震(2005年)、能登半島地震(2007年)などは、比較的確率の低い場所で大きな被害を生じさせている」と。

そして「地震の数の変化に気を揉むより、突っ張り棒の緩みを点検することから始めたい」として、本題の「次はどこか」という問いに答えられないことを示した。日本は1965年に国家プロジェクトで地震予知の研究が始まったが、一度も予知をしたことがなく、だから失敗もない。改めて「地震予知」という言葉は既に死語となっていることを如実に表した記事内容となった。

複雑な地球内部構造

これは、地球内部はまだよく分かっていないということでもある。実際、地盤のずれである断層について、上大岡トメ等著の『地震学入門』に「(断層は)お互いにやりとりをしている(中略)。独立して起こっているわけじゃない」「実際に地震を研究していると、複雑さが地震の特徴にも思える。もし複雑性を持つことが本質であると、根本的に正確な予測はできないということになる」とある。アエラの記事をこの本の内容と関連付けて読めば、興味深い。

今日、日々の天気予報や異常気象下、線状降水帯発生などの予想・予知の確度は相当高く、暮らしに密着した生活情報として必須のものとなっている。しかし自然現象であっても地震のデータとなると、その意味は全くといっていいほど異なるものだと分かる。(片上晴彦)

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