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処理水放出で関係悪化狙う野党

「対日密着外交の実益は?」

日韓関係“改善”のスピードが速い。尹錫悦政権が誕生して最大の懸案である「元徴用工」問題が“解決”されたことで、詰まっていたゴミが取り除かれて、水路の水が勢いよく流れだすように、諸懸案が動きだした。

月刊中央(7月号)に李地平(イジピョン)韓国外大特任教授による「尹錫悦政府、対日密着外交の実益は?」が載っている。改善のきっかけは日本の安保政策の転換にあるとの分析だ。

中国の覇権主義、台湾危機、北朝鮮の核・ミサイル脅威、等々、東アジアの安保情勢が緊張を高める中で、米国の要請もあって、日本はこれまでの安保政策を大きく変えた。すなわち2022年12月の「安保3文書改定」である。これは「戦後、経済発展のために軍事支出を抑制してきた日本の国家方針が大きく変わったことを意味する」と李氏は指摘する。

そして「このような日本の新安保戦略で正常でない韓日関係を座視できなかった」として日本が対韓関係改善に動いた、という見方だ。

だが、これは都合のいい一面の解釈である。改善に動かざるを得なかった事情は韓国の方が深刻だった。韓国の論考では日本側に責任の比重を置きたがるが、だいたい後段に出てくる韓国への言及が本当に主張したい内容であることが多い。

それで、日本と対決してみて、韓国が日本なくして立ち行かない現実を嫌というほど知った。何かといえば、韓国経済は日本の「素材・部品・装備」がなければ、半導体事業はじめ中小企業までが動かなくなるという現実だ。

素材・部品・装備において日本製品は世界で90%から100%の市場占有率を持つ。日本の輸出管理強化で半導体製造に欠かせないフッ化水素など3品目の管理が強化された。韓国は自国生産を試みたが、品質と量で十分な代替にはならなかった。韓国は「日本の対韓禁輸措置」に猛反発し、「NOジャパン」を展開した。

ところが、韓国の半導体製造はストップしなかったのだ。在庫もあっただろうが、実は輸出管理が強化されただけで、手続きを踏めば輸出はなされていた。日本は「禁輸措置」を取ったわけではない。これは韓国政府も業界もメディアも知っていることでありながら、積極的には韓国民に知らせなかった。

さて、尹政権の決断で元徴用工問題が落ち着き、ホワイト国復帰などで韓国経済は息を吹き返し、両国首脳のシャトル外交も復活した。さまざまな国際機構などに韓国は呼ばれるようになってきた。

だが、ここにきて関係を再び悪化させる“材料”が出てきていると李氏は心配する。福島第1原発の処理水放出だ。韓国の野党は荒唐無稽な“怪談”を吹聴して国民を扇動し、日本に来てまで反対デモを行っている。せっかく改善に向かった日韓関係を壊しかねない状況なのだ。尹政権の踏ん張りどころである。

(岩崎 哲)

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