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安倍元首相銃撃事件後、メディアは「死んでいた」

テロ防止の記事皆無

だが、朝日や毎日は馬耳東風である。安倍氏の一周忌に当たる8日付の朝日には銃撃犯に関する記事や銃撃犯が恨みを抱いていた世界平和統一家庭連合(旧統一教会、以下教団)批判記事はあってもテロ防止については皆無だった。同日付社説は「安倍氏の際立つ特徴」を「『友』と『敵』の峻別であり、『分断』」と戦前の新聞が原敬を悪玉に描いたように安倍氏を批判し、「分断に満ちた荒々しい政治から、穏健で落ち着きのある政治へ」と、安倍政治の排除を唱える。この論調は「暗殺が成功してよかった」(島田雅彦法政大学教授)と似たり寄ったりである。

彼らは安倍氏の生前中から「安倍は人間じゃない、叩き切ってやる」(山口二郎法政大学教授)などと安倍氏を「敵」とし、それを大報道した朝日が「分断」を招き入れた。それを「穏健で落ち着きのある政治へ」とは盗人猛々しい。

銃撃事件から1年、メディアは「断じてテロを許さない」のメッセージを発せず、「死んでいた」。朝日や毎日に至ってはテロリスト同情論(教団批判)を張り、事実上「手助けした」。一周忌でもその態度は改まらず、朝日9日付社説は「教団と自民党 社会の不信に向き合え」と相変わらずテロ同情論だ。おまけに同日付1面トップは「政界、漂う『幻想』」と安倍政治を「幻想」扱いしている。拉致報道と安倍氏報道は「メディアが殺した」で通底しているのである。

(増 記代司)

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