拉致問題各党の対応 立民・松原氏の後任に注目

「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会で挨拶する岸田文雄首相=27日午後、東京千代田区
「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会で挨拶する岸田文雄首相=27日午後、東京千代田区

新方針後初の国民大集会

北朝鮮による拉致被害者の家族会、救う会などは5月27日、全被害者の即時帰国を求める「国民大集会」を東京都内で開いた。岸田文雄首相(自民党総裁)、松野博一拉致問題担当相のほか、自民、立憲民主、公明、日本維新の会、国民民主の各党から国会議員らが出席した。

自民党機関紙「自由民主」(6・6)は、集会の様子と、出席した自民議員の言葉を中心に1面トップに集会の記事を載せた。見出しに「岸田総理 首脳会談開催に意欲」とあるように、首相は「トップ同士の関係を構築していくことが極めて重要」と述べ、日朝首脳会談の早期実現に向けて自身の直轄でハイレベルな協議を行うと表明した。

家族会・救う会は2月、「全拉致被害者を親世代が健在・存命のうちに一括帰国させれば、北朝鮮への人道支援には反対しない」とする新しい運動方針を決定した。これまでの「日朝国交正常化の妨げはしない」から大きく方針転換しており、背景には家族の高齢化などで時間的猶予がないことがある。

横田めぐみさんの弟で家族会代表の拓也さんは、新方針決定後の報道で「人道支援に反対しない」という部分が強調されたことについて、「全拉致被害者の即時一括帰国が前提条件であることを忘れないでほしい」と訴えている。

今回の大集会は新方針が決定してから初めてのもので、家族会からは例年以上に、残された時間が少ないことへの危機感と早期救出への切実な思いが語られた。「自由民主」は活動報告の側面も強く紙面の限りもあるだろうが、こういった家族らの訴えについて少しでも記事内に盛り込んでほしかったと思う。

一方、立民を代表して出席した松原仁同党拉致問題対策本部長(元拉致問題担当相)は6月9日、党に離党届を提出し、15日付で受理されている。立民の中でも北朝鮮に対して強い姿勢で臨んできた同氏の後任が誰になるのか、注目したい。

岸田首相は13日の記者会見でも、日朝首脳会談の早期実現を目指すと語っている。拉致問題は2002年に5人の拉致被害者の帰国が実現して以来、現在に至るまで全く進展が見られないと言っていい。首相自身が昨年「時間的制約のある人権問題」と語った通りであり、首脳会談だけでもいつまでに実現を目指すという一歩踏み込んだ決意を聞きたい。

(亀井 玲那)

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