トップオピニオンメディアウォッチ「ライフルホルダーは武器である」と朝日新聞。独自の解釈は朝日の武器、相手を困らせる。

「ライフルホルダーは武器である」と朝日新聞。独自の解釈は朝日の武器、相手を困らせる。

朝日による武器概念

捻(ね)じ曲げである。政府見解では武器は「直接人を殺傷し、物を破壊することを目的とする機械、器具、装置など」を指す。銃を立て掛ける器具まで武器とすれば、それを運ぶ車両も武器になり自衛隊の装備品は何でも武器になる。そんな解釈は通用しない。

朝日記事には、防衛省の報道官が記者会見で「車両にとりつけられているライフルホルダーは、隊員が携行する小銃を使用しない時に立てかけるためのもの」と説明し、殺傷能力などはないとの見解を示したとある。まるで小学生に説明しているかのようだ。誰が報道官に質(ただ)したのか。これを巡る記事は朝日にしかないから朝日記者だろう。失笑モノ質問というほかない。

自衛隊にまつわるものは何でも武器という概念は朝日がつくり上げてきたものだ。元々の武器輸出三原則は1967年に佐藤内閣が打ち出したもので、①共産圏②国連決議による輸出禁止国③紛争当事国や恐れのある国―への武器輸出を禁じるものだったが、76年に野党や朝日の主張に押されて三木武夫内閣が軍隊で使用されるものをすべて武器と見なし禁輸の適用範囲を拡大した。それで防弾チョッキなど純粋な防衛装備も提供できなくなり、非武装論と同様の「不毛」と化した。

92年の初のカンボジアPKO(国連平和維持活動)では選挙監視のために文民警察官が派遣されたが、防弾ヘルメットも高性能防弾チョッキも「武器の輸出に当たる」として着携が許されず、高田晴行警視が殉職する悲劇を招いた。東南アジア諸国が海賊対策として廃艦となった護衛艦の購入を希望したが、これも認めなかった。

だが、日米同盟に支障を来すようになったため一部を緩和し、日本の技術で開発された兵器は日米間で使用できるように改められた。その後、戦闘機や艦船の開発には巨額の資金と最新技術が必要で複数の同盟国が結集して開発するのが世界の潮流となった。

世界の潮流に水差す

それで民主党政権の野田佳彦内閣は3原則を緩和し国際共同開発を容認したが、朝日は3原則を「専守防衛に徹し、他国への脅威とならないという、戦後日本の抑制的な防衛政策の主要な柱のひとつ」(2011年12月25日付社説)とし、野田内閣を批判。防衛装備移転三原則を決めた安倍内閣には「平和主義が崩れていく」(14年4月3日付社説)と噛(か)みついた。

世界の潮流に水を差し、非武装に固執するのが朝日である。それでライフルホルダーという、ささいなものを取り出して無理を言い、相手を脅したり困らせたりする、因縁を付けるのだ。これこそ朝日の「武器」である。こっちの非武装こそ望ましい。

(増 記代司)

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