新型コロナウイルス発祥地追究が疎かなら文明は沈黙とNW日本版

「機能獲得実験」の弊害

今回は専門家による告発。結論から言うとスティーブン・クエイ氏の論点は二つあって、一つは「SARS-CoV-2が研究所由来である確率を99%と判断した」というもの。「後にSARS-CoV-2と呼ばれることになる新型コロナウイルスを私が最初に認識したのは、2019年12月下旬のこと」「(武漢市の医院でその家族の)父親と母親がかなり珍しい症状の肺炎を患っていた(という症例報告を同氏は目にした)」。また「同院の艾芬(アイ・フェン)医師は、すぐに新型のコロナウイルスだと気が付いた」のだ。

「SARS-CoV-2では、自然感染に見られる特性は今に至るまで1つも発見されていない」が、同氏は「このウイルスゲノムを初めて見たとき(中略)タンパク質が切断されたフーリン切断部位(FCS)があった」ことに気付く。FCSはウイルスをヒトの細胞に感染しやすくする遺伝的特徴で、研究者は実験室でウイルスにFCSを人工的に作り、その効果を確かめてきた。さらに「このウイルスが過去に例のある種類のスピルオーバー(異種間伝播)だという見解を裏付ける証拠も、私は1つも知らない」として、これが人為的に作られたウイルスだと断じ、「研究所由来の確率99%」の結論を引き出した。

ただし残り“1%”が詰められない。そのため「『機能獲得実験』によって操作された証拠がある」という主張は、広く、完全には受け入れられず、「生物兵器開発プログラムの一部ではないかと話題にすることも容認されていない」。現時点の医学の限界点と言えるのかもしれない。

もう一つの論点はウイルス研究について「私は機能獲得実験にはメリットがないと考えており、強固な制限を設けるべきだ」という主張。「既に致死率が30%を超えているMERS(中東呼吸器症候群)コロナウイルス、致死率39%のインフルエンザウイルス、致死率が最大70%と推定されるニパウイルスを使った実験」などで「機能獲得実験が行われている証拠」があり「推定では、致死率が約10%以上でSARS-CoV-2と同じくらいの感染力を持つウイルスによって、文明が数百年間沈黙するとみられる」と。

中国告発の“叫び声”

その上で「完全に禁止するのは不可能だろうが、ほとんどの実験には非致死性の代替手段があるはずだ」「気候変動のような問題では市民が100%関与して、政府に行動を起こすように働きかけている。機能獲得型のようなウイルス研究も、私たちが行動を起こさない限り、今後数十年の間に人類を崖っぷちまで追い詰める」と。中国告発の叫びが聞こえてくる。

新型コロナウイルスの中国武漢発祥説についてNWは他誌にない追究欲だ。「人権尊重」への気迫を鋭く表している。

(片上晴彦)

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