主要大学合格者数大特集の毎日、注目記事は「公明の『打算』と『苦悶』」

地方選挙で演説をする岸田首相=和歌山県、4月15日(UPI)
地方選挙で演説をする岸田首相=和歌山県、4月15日(UPI)

来月末で朝日「休刊」

4月に入って大学入試の結果が出揃(そろ)うと週刊誌は高校別の主要大学合格者数を大特集する。週刊朝日(4月21日号)とサンデー毎日(4月23日号)はそれぞれ100㌻を超える紙数を割いて載せた。

毎年これが載せられる理由を考えるが、「部数目当て」以外に思いつかない。ただし高校の大学別合格者数が載るだけで、受験生やその保護者、高校関係者が週刊誌を買うだろうかと考えれば、常識的に考えて大きな部数増にはつながらないだろう。増えても一過性のものだ。むしろ、この特集のために使う紙代の方が高くつくのではないか。

週刊朝日は今年5月末をもって「休刊」する。今後はウェブに注力していく、としているが、部数のみならず広告費の落ち込みもあり、「廃刊」を言い換えただけのようにも聞こえ、「部数目当て」の合格者数を載せる意味もあまりないが、例年のことなので、なければないで寂しいと感じる読者もいるのかもしれない。

週刊誌は体制監視、政権批判、庶民の鬱憤(うっぷん)晴らし、そしてゴシップで売ってきた。サンデー毎日は「倉重篤郎のニュース最前線」で「『サンデーモーニング』出演者寺島実郎が警告!」として放送法問題で吠(ほ)えさせている。同問題では国会で“時間の無駄”とも思える野党の絡みつきがあり、いやでも聞かされてきたが、そもそもはサンデーモーニングが切っ掛けだった。

寺島氏は「私が強調したいのは、放送法問題であぶり出されたのは、安倍政治の驕りと矮小性がいかに日本をダメにしたかであり私たちがこれに気づくことだ」と述べている。こういうスタンスが一定の支持を得るのは分かるが、体制側を批判する“骨のある”週刊誌が、有名大学の合格者をただただ載せる(プチブル的な)編集の“整合性”がいまいち分からない。

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