反米論調そろう3紙
イラク戦争から20年が経った。この戦争をすっかり忘れたという人もいれば、記憶にない若者もいよう。そこで事典から引くと「2003年3月20日から5月1日まで、サダム・フセイン政権が国連による大量破壊兵器の査察に非協力的だという理由から、国連安保理の明確な決議のないまま、米国が英国と強行した戦争」(現代用語辞典『知恵蔵』朝日新聞社)とある。
開戦から21日目の4月9日に米軍は首都バグダッドに入り、歓喜して迎えた市民と共にフセイン像を倒した。フセインは03年12月に米軍に逮捕され、イラク特別法廷で大量虐殺などの「人道に対する罪」で死刑判決を受け、06年末に処刑された。
これを朝日21日付社説は「侵略の重い教訓」と題し、米国を「身勝手な理由を根拠なく振りかざし、国際法を無視して他国の領土に攻め込む」と侵略者呼ばわりし、ロシアと同列の「大国の横暴」と断じ「イラク戦争を支持し、現地に自衛隊を派遣した日本」にも矛先を向ける。
毎日は「米国の独善が禍根残した」(25日付社説)とし、東京は「切迫した脅威がなくても『怪しげなら殴る』という戦略」(19日付社説)と米国を極道者のように描く。3紙そろって反米論調だ。