
SRB着火せず中止
新型ロケット「H3」の打ち上げは、主力エンジンに予定通り着火したものの、固体補助ロケット(SRB)には着火せず、中止となった。
H3は2001年に運用を開始したH2Aの後継となる2段式の基幹ロケットで、今後20年間の日本の宇宙輸送の中心を担う存在である。
今回のH3打ち上げ中止に対し、各紙は18日付(本紙は23日付)社説で、H3の意義を高く評価し、早期の再打ち上げに向け原因の徹底究明を求めて再起を促した。
特に日本の宇宙開発で日頃、費用対効果を強く説いてきた日経も、今回は「宇宙開発では、ミスはつきものだ」として批判の言葉はほとんどなし。
むしろ、「ロケット市場で圧倒的な存在感を示す米スペースXも、度重なる失敗を乗り越えてきた。H3はエンジンなどで最先端技術を採用した。開発陣はトラブルに委縮せず、挑戦を続けてもらいたい」と、今回社説を掲載した5紙の中でも最も熱いエールを送る。同感である。
毎日も「日本のロケット開発は、数々の失敗を糧に技術力を高めてきた」「ウクライナ危機の影響は、宇宙開発分野にも及ぶ。ロシアは侵攻後、欧米などの衛星を打ち上げていない。国産のロケットを持つ意義は大きい」と強調するのである。