
日常的で身近な会話
ウクライナにロシア軍が侵攻して1年になる。国際関係がより密接になっていく時代の中で、時代錯誤も甚だしい侵略戦争が起きたが、インターネット、携帯端末が普及しており、戦地の様子はそのまま発信されている。日本人の体験した戦争の記録はモノクロ映像で、古さが余計に記憶の距離を広げているが…。
12日放送のNHKBS1スペシャル「ウクライナ 戦火のクリスマスプレゼント」は、戦場になったウクライナと日本とで離れ離れになったウクライナ人家族をクリスマスの贈り物で結ぶやりとりだった。
ウクライナでは正教会のクリスマスが1月7日、カトリックのクリスマスが12月25日だ。番組は12月から年明けまで、東京にキーウから避難した姉弟と国に残る父母、千葉にいる娘を頼って避難した女性と同国中部に残る夫、鹿児島に子連れで避難した女性とハルキウ(ハリコフ)の兄らとのやりとりを、日本とウクライナの現地でカバーした。
携帯端末のテレビ電話で安否をうかがう会話は身近な家族そのもので、よくある日常の光景だ。ネットさえつながれば高画質で姿が映り、クリアに生の声が聞こえ、当たり前のように家屋が映る。ある意味で戦争が日常と隣り合わせと思わせる。