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立憲民主の「戦う国対」 維新との共闘の行方は

党内外でスタンスの違いも

立憲民主党機関紙「立憲民主」(1・20)は、新年に当たって、泉健太代表のあいさつをはじめ安住淳国会対策委員長や玄葉光一郎ネクスト外務・安全保障担当相のインタビュー、元外務審議官の田中均氏と岡田克也幹事長との対談などを掲載した。昨年の同党の動きの中で特に印象的だったのは、やはり臨時国会での日本維新の会との共闘だろう。泉、安住両氏もこの成果を強調し、通常国会での引き続きの共闘に向けて決意を語っている。

立民は昨年7月の参院選で議席を減らし、一昨年11月に泉氏が代表に就任して以来取ってきた政策提案型路線から「戦う国対」に舵を切った。国対委員長として主導した安住氏は「自民党に代わり得る政治勢力だと認知をされないと野党第1党の存在意義はないので、そこを一番重視」し、「野党第2党の日本維新の会との距離を縮めることが一番ではないかと判断」したと振り返った。

「水と油」とも言われた両党は、昨年の臨時国会で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題を受けた被害者救済新法の成立などで一定の成果を得た。先月18日には通常国会での共闘継続に正式合意。合意文書には安易な増税政策に反対することなどを盛り込み、隔たりの大きい憲法、安全保障、エネルギーなどの政策について議論を開始することも確認した。

ただ、特に憲法論議に対する姿勢の違いから、ここ最近は再び火花を散らし合っている。衆院憲法審査会を巡って、維新の馬場伸幸代表は立民が幹事懇談会を欠席したことを「サボり癖が出てきた」と批判。泉氏はこれを受けて「維新はすぐ自民党の誘いに乗ってしまう」と発言し、馬場氏は16日には、来月2日に行う予定の憲法審査会を「(立民が)いろんな屁理屈を言って妨害することになれば、協調も見直しをせざるを得ない」と述べ、消極的な態度を強く牽制(けんせい)した。

共闘に関するスタンスの違いは党内でも見られる。野党間での連携について安住氏はインタビューの中で、共産党やれいわ新選組の名前を挙げて「野党6党で手を携えて」通常国会に臨むと語った。一方、同党最高顧問の野田佳彦元首相は13日、都内で行った講演で立民について「コア支持層がリベラルしかいないと思っている人は、共産党、れいわ新選組、社民党との連携しか頭の中にない」と指摘。維新に加えて国民民主党との連携を重視する考えを示している。

(亀井 玲那)

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