
引き合いに出し批判
通常国会が開幕し、岸田文雄首相は少子化対策を最重要課題に掲げた。昨年の出生数は80万人を割り込んだとみられ、施政方針演説で「わが国は、社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際と呼ぶべき状況」だと強調した。
昨年4月の発表で2021年10月の外国人を含む推定人口は1億2550万2000人。前年比64万4000人の減少は統計を取り始めた1950年以来最大だ。日本の総人口は2008~10年に1億2800万人を超えたのをピークに11年以降は連続して減少している。このまま推移すると、45年ごろ1億1000万を割り、今世紀末には7500万人程度になる。
「出生率反転」が日本の命運に関わることは確かだ。ただ、少子化対策の目的は女性から生まれてくる赤ちゃんの数を増やすことだが、政治家がこれに踏み込むと野党やマスコミの言葉狩りに狙われる。22日放送のTBS「サンデーモーニング」もそうだった。まず中国が人口減少に転じたことから入ったものの、日本の少子化を扱うところで自民党の麻生太郎副総裁の発言を引き合いに出した。
「少子化の一番大きな理由は、出産するときの女性の年齢が高齢化しているから」――と、15日に福岡県飯塚市の集会で述べたものだが、これに対し「昔の人の考えかなと思う」「ちゃんと育てていけるかっていう不安の方が多い」など、街角の若い女性の声を拾って批判した。