マスクの「弊害」指摘
「屋外ではマスクを外しましょう」――。政府がしきりに広報している。しかし誰もいない道をマスクなしで散歩していて、たまにすれ違う人がマスクをしていると、なんだか責められているような気分になる。「いや、だって政府がしなくてもいいと言っているし」と心の中で呟(つぶや)くものの、やはり人前ではマスクしておいた方がいいかなと“妥協”する情けない自分がいる。
世界の人々を沸かせたサッカーワールドカップ・カタール大会。会場では誰もマスクなどしていない。世界各国では観光も再開され、伝えられる外国の映像ではやはりマスクはない。来日観光客にマスクを強要するのは日本だけだ。
それに、今や感染者数は世界一。なぜ日本でそれだけ多いか、週刊新潮(12月29日号)で「精神科医の和田秀樹」医師が語っている。「それは、PCR検査を徹底して感染者を洗い出し、細かく数えている国が、もはや日本しかないからです」とのこと。律義を通り越して、もはや「馬」「鹿」である。
和田氏は「コロナウイルスがここまで弱毒化しても、国民全員がマスクをし続けるべきだというなら、日本人は未来永劫(えいごう)、マスクを外せなくなります」と呆(あき)れる。これが冗談ではないのが日本だ。
その一方でマスクの「弊害」はこれまでも同誌をはじめ多くのメディアが指摘し警鐘を鳴らしてきた。相手の表情が見えない、笑顔にならない、免疫力の低下をもたらす、「うつ病の増加にもつながります」(和田氏)ということだ。政府がしきりに広報するのも、それを危惧するからなのだろう。