建て替え推進と矛盾
日経は原子炉の建設については、同省案が当面は寿命を迎えるなどして廃止される既存炉からの建て替えを想定していることに「新たな立地を探すよりも現実的だ」とし、「既存炉を最新タイプに建て替え、より安全に使えるようにするのは理にかなう」と評価する。
ただ、安全審査による停止期間を運転期間に含めないことで実質的に60年を超えた稼働も可能とすることには、「中途半端な内容だ」とやんわり批判する。「運転期間延長は、建て替えの推進と矛盾するようにも見える」からで、同紙は「当座の電源確保のため最低限の原子炉で運転期間を延ばし、その後は新しい炉に移行するといった道筋をわかりやすく示してほしい」と訴える。
直截的な産経とは違う表現だが、時間的な行程が分かれば産経のようになるのか。
左派系紙の批判は、相変わらず電力安定供給の視点がなく、技術進歩の恩恵を認めない。現実的な課題に対処しない理想論だけでは提言になり得ない。
(床井明男)