旧統一教会とKCIA 「共産党が利用」した偽情報をコラムで使う毎日新聞

参議院選挙で第一声をあげる、日本共産党志位和夫委員長=6月22日東京都、新宿駅前で
参議院選挙で第一声をあげる、日本共産党志位和夫委員長=6月22日東京都、新宿駅前で

報じていない「報道」

新聞は時に平気で嘘(うそ)を書く。2014年に沖縄返還交渉(1972年)を巡る日米間の密約を示す文書について、元毎日記者の西山太吉氏らが国に開示を求めた訴訟で最高裁は西山氏側の訴えを退け不開示を決定したことがある。この時の報道がそうだ。

毎日は「西山さんは、72年5月に発効した沖縄返還協定の交渉過程で(中略)日米間の密約を報じた」(同7月15日付)とし、他紙もそろって「報道」と記した。だが、西山氏は報じていない。

西山氏は71年に外務省の女性事務官を「ホテルに誘ってひそかに情を通じ、これを利用」(起訴状)して機密文書を盗み出させ、社会党代議士に渡して72年に国会で暴露させた。女性事務官は「騙された」と自首し、2人は機密文書漏洩(ろうえい)容疑で逮捕された。

あまりの卑劣な行為に毎日も驚愕(きょうがく)し、西山氏の非を認めて解職し編集局長は辞任、「おわび」記事まで掲載した(西山氏は78年5月、最高裁で有罪確定)。そんな経緯から毎日も他紙も当時は「報じた」とは決して書かなかった。

それが90年代以降、「密約」が話題になると、「報じて逮捕された」と嘘を書くようになった。民主党政権下の2010年4月に当時の岡田克也外相まで西山氏を称賛する発言をしたので本紙記者が記者会見で正したところ、岡田氏は発言を訂正した。会見には各紙記者が多数参加していたはずなのにその後も「報じた」と書き続けている。新聞が平気で嘘を書く一例である。

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