
ワイドショーの異常
臨時国会は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐる質疑で明け暮れている。安倍晋三元首相暗殺事件後に過熱した批判報道の影響もある。日本テレビ「情報ライブミヤネ屋」、TBS「報道特集」などワイドショーや情報番組によっては、3カ月以上も繰り返し続けているのも異常である。
しかし国政課題の優先順位を踏まえれば、外交、安保、経済、社会保障など重要課題は山積みだ。ロシアのウクライナ侵攻は長期化し、エネルギー資源や食糧の世界市場への供給が滞り、国際的な物価高騰を招いている。おまけに30年来の円安が輪をかけて経済に打撃を与えている。
わが国周辺の情勢は緊迫しており、北朝鮮は“核保有国”の地位をアピールすることに躍起で、ミサイル発射実験を加速。中国では共産党大会で3期目に入った習近平国家主席の独裁体制が盤石となり、これまで明言してきた「台湾統一」(軍事侵攻)の危機について米軍は警鐘を鳴らしている。
民放ワイドショーと違い、バランスを取って時局、世論をテーマに議論しているのがNHK「日曜討論」。今月のテーマは、2日に「与野党論戦/国葬・旧統一教会問題、経済政策、安全保障は」、9日に「物価高騰はなぜ?いつまで続く?西村大臣に対策を問う」、16日に「与野党論戦/どうする安全保障政策、『反撃能力』、防衛費」、23日に「与野党論戦/円安・物価高の対策は、賃上げをどう実現する」だった。