「カルト」問題をきっかけに宗教の縮小と深化を問う「こころの時代」

教会のイメージ(Image by ian kelsall from Pixabay )
教会のイメージ(Image by ian kelsall from Pixabay )

学術用語には使えず

日曜早朝放送のNHKEテレの「こころの時代~宗教・人生」を見た。民放の情報バラエティーや報道番組の旧統一教会(世界平和統一家庭連合)報道では期待できない宗教や信仰の本質についての議論が聞けるのではないか、と思ったからだ。

見たのは2回シリーズの「問われる宗教と“カルト”」で、「宗教問題の現場・最前線で活動してきた研究者・宗教者」(番組ホームページ)6人が出演した。前編「“カルト問題の根源を探る”」(9日放送)でまず試みられたのは、旧統一教会批判でよく使われている「カルト」という言葉の定義を明確にすること。牧師で宗教学者(東北学院大学教授)の川島堅二は次のように語った。

「カルトという言葉は広い意味がある」と断りながら、「マイノリティーの集団で、熱狂的な崇拝行為をする団体で、そこに関わってしまうと、違法行為・反社会的な行為に巻き込まれて、非常な不利益を自分も被るし、また社会や身近な人に対しても被らせてしまうような団体」と考えているという。

これに対して宗教学者(東京大学名誉教授)の島薗進は「宗教学とか宗教社会学を研究している人、あるいは法学の立場からもカルトの定義は非常に難しい。学術用語としてはちょっと使えないというのがわれわれの考えですね」と語った。

ここで不思議に思う。同じ宗教学者でも、意見が分かれたことだ。島薗はカルトは学術用語ではないと指摘する。しかもそれは「われわれの考え」だとした。これは何を意味するのか。島薗個人の見解ではなく宗教学会のコンセンサスであることをあえて示したかったのではないか。

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