
教団へ憎悪感情拡散
安倍晋三元首相銃撃事件以来、テレビのワイドショー、報道番組は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)および関連団体へのバッシング、儀礼的な祝電一つでも関連団体と関わったとして政治家に対する批判を繰り返し続けている。
奈良県警に逮捕された容疑者が、親の献金をめぐる教団への恨みから元首相を殺害したと供述したということから批判報道が過熱し、容疑者と同じような教団への激しい憎悪感情を拡散している。
一つに21日放送のTBS「サンデーモーニング」は、韓国で行われた日本の報道に抗議する韓国人と結婚した日本人信者たちのデモをオープニングで扱い、すぐに話題は日本の政治家との接点に移った。参院選東京選挙区に出馬した生稲晃子候補と萩生田光一衆院議員が八王子の教団施設を集票のため訪れたと追及。また、政務3役73人中31人が何らかの接点があると問題視した。
コメントした姜尚中氏は、「価値観が一致していた。本来、冷戦が崩壊すれば反共、勝共は意味をなさないが、グローバル化になって家族、家庭がアイデンティティーのトピックになった」として、教団が名称変更した家庭連合を「戦前の国体明徴運動のようなもの」と評し、LGBT(性的少数者)に批判的な保守政治における家庭政策と掛け合わせながら批判した。
大阪芸術大学客員准教授の谷口真由美氏は、「政治家の人たちがジェンダーの平等とか男女平等とか夫婦別姓の話とか同性婚の話とかすると、感情的に反論してくるというのを20年ずっと体験していて、その裏ってこんな話なんですかというのに驚いている」と述べ、政府が閣僚や政務官らの教団との接点を調査しないと決めたことにも批判した。