安倍氏国葬、日本の左派言論の異様さを浮き彫りにした「朝日川柳」

猪口邦子の応援演説をする安倍晋三元首相 =3日午後、千葉県松戸市

哀悼の思い皆無の句

産経の1面コラム「産経抄」20日付に「朝日川柳」が取り上げられていた。

「安倍氏と朝日新聞との長年にわたる対立関係はよく知られている。たとえそうであっても…と物議を醸しているのが、16日付朝刊に掲載された『朝日川柳』だ。<疑惑あった人が国葬そんな国>。この句を含めて採用された7句全てが、安倍氏が銃撃されて死亡した事件や国葬を揶揄(やゆ)する内容だった」

「朝日川柳」はオピニオン面の社説の下段に載っているが、16日付社説は「共産結党100年 次世代へ党開く変革を」と題して若い世代を同党に導く“秘訣(ひけつ)”を語っていたので、つい目を奪われ見落としていた。早速、紙面を見ると、なるほど揶揄の連発だった。

他の句を見ると、「忖度(そんたく)はどこまで続く あの世まで」「国葬って国がお仕舞いっていうことか」「動機聞きゃテロじゃ無かったらしいです」「ああ怖いこうして歴史は作られる」など、「毒」を含む句ばかり。川柳と並んで「かたえくぼ」との欄があるが、それにも「『国葬』 あれもこれも葬る場――新解釈辞典」とある。

ここには非業の死を遂げた元首相への哀悼のアの字もない。これは朝日ではないが、ネット上には「安倍が死んで幸せ無限大」というのもあった。これでは銃撃犯の凶行はテロでなく、元首相を葬った英雄扱いである。世界の259の国や地域、機関から1700件以上も弔意メッセージが寄せられているが、こうした世界の哀悼の思いと「朝日的揶揄」のギャップは日本の左派言論の異様さを浮き彫りにしている。

産経抄は「朝日にとって川柳欄は、自らの口からは言い出しにくいメッセージを発信する便利な存在なのだろう」と臆測している。朝日デジタル版には同欄について「投稿は趣旨は変えずに直すことがあります。採用分には謝礼をお送りします」とあるから、選者が手直しした句や朝日の意向を忖度した謝礼狙いの投稿もあったのか、と臆測したくなる。

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