政治闘争丸出しで生活保護を自民党批判に使う朝日の筋違いな社論

東京は手続き問題視

参院選最中の6月24日、生活保護費をめぐって東京地裁で一つの判決があった。厚生労働省が2013年から3年間にわたって「デフレ調整」(物価下落の反映)などを理由に保護費を削減したのは違法とし、減額決定を取り消すという判決である。

同様の裁判は全国29の裁判所で行われている。これまで11件の判決があり、このうち大阪地裁と熊本地裁、今回の東京地裁の3件が違法、他の8件は合法としている。生活保護費の改定については厚生労働大臣に強い裁量権が認められており、大半の判決はそれに沿って合法とする。一方、違法判決はその裁量(デフレ調整など)の根拠が不明確だとするからで、それで判断は割れている。

この裁判は共産党系弁護士らによる集団訴訟で、生活保護費減額は「健康で文化的な生活水準」を保障する憲法25条に違反するとし「生存権裁判」「いのちのとりで裁判」と称している(もっとも、減額で飢え死にしたという受給者の話は聞かないが)。

1950年代に引き起こされた「朝日訴訟」(東京高裁判決・国勝訴=63年、その後、朝日氏死亡で終了)以来の生活保護をめぐる政治闘争だ。「防衛費があるなら、それを最低限の生活保障に回せ」といった理屈で政府攻撃の材料にされてきた。

というわけで、左派紙にとっては絶好の政府攻撃のネタが出てきた。案の定、これを社説で取り上げたのは朝日と東京の2紙(いずれも28日付)。東京は「生活保護判決 『物価偽装』への戒めだ」との見出しで、デフレ調整の手続きに焦点を当て、「総務省が公表している消費者物価指数ではなく、独自に算出した指数を用いた」ことを問題視し、厚労相の裁量権についてはスルーしている。

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