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人口密集地と重なるハザードマップで大雨災害を論じた「日曜討論」

雨の日のイメージ(Photo by Osman Rana on Unsplash)

中国南部で豪雨被害

毎年のように異常気象が騒がれている。テレビのニュースでも話題になったが、関東では梅雨入り前の2日に群馬県南部から埼玉県北部にかけてひょうが降り、3日にも千葉県市川市などで降り注ぎ、同市内の原木中山駅の屋根が破損する勢いだった。

初夏に地表を覆う氷の粒の異様さに厳しい気象災害を予感させるものもあったが、7日に梅雨入りした後の関東はそれほどでもない。一方、梅雨前線の西の彼方の中国大陸で記録的な豪雨被害をもたらしている。

22日のNHK「ニュースLIVE!ゆう5時」は、中国南部で長雨による水害が相次ぎ500万人以上が被災したと伝えた。広東省、福建省など被災地域の5月1日から今月15日までの1日の平均降水量は621㍉で1961年以来、同期比最多という。

民放の各ニュースでも豪雨被害とともに、16日と19日に広東省で不安定な大気の下に起きた激しい竜巻の様子を現地の人が捉えた映像を報じた。一方、長江よりも北の河南省、河北省、山東省などでは40度を超える記録的猛暑が続いているという。

制御が効かない気候変動だが、わが国も直面している問題だ。12日放送のNHK「日曜討論」は、梅雨の時期を受けて「災害から命を守るには」と題し、近年毎年のように起こる大規模水害をテーマに論じた。

やはり専門家は温暖化の影響を指摘している。東京大学教授の中村尚氏は、「過去40年で1度温度が上昇し、日本の周辺海域も世界の倍以上早く温暖化し、熱帯の湿った気流が不安定さを保ったまま日本列島に流れ込む状況になっている」と述べた。このため、気象庁の最新の分析では過去45年で豪雨の件数が倍増し、特に梅雨の後半の7月は3倍半になっているという。

中国南部の大雨も同じ理屈だ。日本列島に掛かる梅雨前線が延びており、熱帯の温かく湿った空気が流れ込んだことによるものだ。

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