【政党メディアウォッチ】共産党、自民党、いずれも参院選ムードに

自由民主 試されるガバナンスコード

原則にジェンダー、多様性

自民党の機関紙「自由民主」(6・7)は、1面で「『ガバナンスコード』が決定」と報じた。5月31日に同党は「政党で初」となるガバナンスコード(統治原則)を決定。内容は五つの基本原則で構成され、基本原則1・政策立案の強化、同2・多様な人材の育成と登用、同3・地方組織との連携強化、同4・広く開かれた対話とデジタル技術の活用、同5・党運営の新たなルールの確立―を定めている。

岸田文雄首相は昨年の総裁選で党改革のためガバナンスコードを作ると公約。「党運営の指針を明確にすることで、党の透明性、説明責任を果たすことを担保し、国民の信頼をさらに高めていく」(同紙)とするもので、参院選の公約に盛り込まれた。

過去に「政治とカネ」をめぐる隠蔽(いんぺい)や、物事の決まり方が不明朗な「密室政治」が政治不信を招いてきた。昨年の菅義偉前政権では、河井夫妻選挙違反事件など不祥事が響いて参院広島選挙区再選挙など選挙で敗北が重なり、菅氏は総裁選再出馬を取りやめにした。

河井事件の背景には公認や党費をめぐる党本部と地方組織の軋轢(あつれき)があったが、今回決定した基本原則3や5が生かされるか今後の課題だ。特に同紙は「同コードの履行にあたっては原則を順守しているか、完全に順守できない場合はその理由を説明する『コンプライ・オア・エクスプレイン』の考え方を基礎とすることを定めている」と述べており、実行力が試されよう。

一方、基本原則2では「多様性」を強調し、リベラルで開放的な方針を掲げている。これまで同党であまり強調されなかった「ジェンダー」「多様なバックグラウンド」などの用語が入った。同紙には「各級女性議員を育成」ぐらいの記載にとどめているが、基本原則2には「党内の指導的地位に…必要に応じ、専門的知見を有する党外の有識者を登用する」としており、場合によっては野党に近い「ジェンダー」政策を打ち出す可能性もある。

ただ、ガバナンスコードは同党の党則では「国民の信頼と協力の基盤の上に、党の理念を実現するため…党ガバナンスコードを定める」(第100条)とされている。自民党の理念を記した文書は立党宣言、党の政綱、綱領、新理念、平成22年綱領、党則前文など複数ある。これら理念とガバナンスコードを自民党がどう位置付けて参院選で訴えるかは一つの見ものだ。

(窪田 伸雄)

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