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自らを英雄とする凶悪犯に各紙は独善的論理を展開

手錠のイメージ(Image by Arek Socha from Pixabay )

紙面覆う“反省”の弁

国際テロ組織「日本赤軍」の重信房子元最高幹部が懲役20年の刑期満了で出所した。新聞報道を見ると、「反省伝えること 自らの役割」(朝日28日付夕刊)「『被害与え、おわび』 短歌に思い 獄中で9000首」(産経29日付)と、左右を問わず反省の弁が紙面を覆っている。

イスラム思想研究者の飯山陽氏は毎日や共同通信の記事を取り上げ「メディアの奇妙な高揚」を批判し、「独善的論理で無差別テロを正当化するイデオロギーを、この日本で再び蔓延(はびこ)らせるようなことはあってはならない」と強調している(産経29日付)。筆者も日本のメディアは左翼テロリストに甘過ぎると、つくづく思う。

日本赤軍は人殺し集団である。ちょうど50年前の1972年5月30日、イスラエル・テルアビブ空港でソ連製自動小銃を乱射し26人を殺害、73人に重軽傷を負わせた。それ以降もオランダ・ハーグ仏大使館占拠やマレーシア・クアラルンプール米大使館占拠、ダッカ日航機乗っ取り等、国際テロを繰り返した。

その間、連合赤軍(あさま山荘事件=死者3人、重軽傷者27人)や東アジア反日武装戦線(三菱重工爆破事件=死者8人、重軽傷者367人)の凶悪犯を人質との交換で釈放させ、今も7人が海外逃亡中だ。

毎日によれば、重信元幹部は「自分が『テロリスト』だと考えたことはない」と主張し、7人については「手配を取り下げることによって、日本に帰れるようになることを願っている」「必要とされる場で生き抜いてほしい」と話している(29日付)。自身の裁判でも無罪を主張したが、逃亡凶悪犯も同様に無罪とする発言だ。これで反省とは噴飯モノ。メディアの目は節穴だらけだ。

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