
露軍侵攻で地殻変動
ロシアがウクライナを侵略する地政学的リスクの発生で、世界、とりわけ欧米の対露認識が決定的に厳しくなった。北欧の中立国フィンランドとスウェーデンは安全保障政策を転換し、北大西洋条約機構(NATO)への加盟申請手続きを同時に行った。1300㌔の国境を接するフィンランドと、200年間も軍事的中立政策を取ってきたスウェーデンの2カ国が加わると歴史的大転換となる。
22日放送のTBS「サンデーモーニング」の「風をよむ」のコーナーでは、この北欧2カ国のNATO加盟申請、これに対抗したロシアをはじめとする旧ソ連6カ国の集団安全保障条約機構(CSTO)会議の動きなどを捉え、「国際社会の“地殻変動”」として扱っていた。
また、バイデン米大統領の訪日もあり、「風をよむ」は日米豪印の「クアッド」、米英豪の「オーカス」など新たな安全保障の枠組み、および環太平洋連携協定(TPP)、バイデン氏が提唱した「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」などの新たな経済分野などの枠組みも“地殻変動”の要素に加えた。
元外務事務次官・藪中三十二氏は、「ロシアが引き起こしたことに対して周りの国は対抗せざるを得ない」と北欧2カ国のNATO加盟には理解を示す。が、「アジアも軍事的な機構が必要だというのは別問題」として、クアッドは「明らかに中国を念頭に置いている」として日本に「平和をつくる外交」を求め、「侵略行為に移っていかないように、それを食い止める外交が必要」と説いた。