3大天災の襲来は間近、天災と有事が重なる時の対処訴える石破氏

災害時に活動する人のイメージImage by RAEng_Publications from Pixabay

防災は票にならない

コロナウイルスによる感染症との闘いが長引き、この間、迫り来る天災、特に地震災害に警鐘を鳴らす記事が総体的に少ないように感じていたが、ここにきて目につく。サンデー毎日4月10日号トップ「迫り来る3大天災(南海トラフ、富士山噴火、首都直下)に政治はどう向き合うのか」は、元自民党幹事長石破茂氏と地震学者鎌田浩毅氏の対談。

「3大天災は政府や学会が近々発生の可能性を警告している」という切迫感が2人共通。南海トラフは「40年以内に90%程度の発生確率(政府の地質調査委員会の今年1月予測)」、首都直下だと「30年以内に70%の確率(同委が20年1月同)」。富士山も、1707年の宝永噴火以来300年以上もマグマが溜(た)まり続けている。

鎌田「南海トラフは東日本より1桁大きな被害が予測され、首都直下はいつ起きてもおかしくない。わが国最大の活火山・富士山も噴火『スタンバイ状態』だ。なのに政治に危機感がない」

石破「『駝鳥(だちょう)の平和』というが、危機も見えなければないのと一緒、という性癖があるのかもしれない。政治家にとって防災は票にならない、起こりもしないようなことで何を言っているんだと言われることもある」。

政治家の頭の中に平生、そういう意識があるなら由々しきことだ。

複合的災害に要注意

もう一つは折からのロシア軍のウクライナ侵攻で、石破「ウクライナでの戦争を見ても、これらの天災に有事が重なったらどうなるか、も考えなければならない」と危機感を持つ。昭和18年に石破氏の地元・鳥取で大地震があったが、戦中の情報統制で記録も残っていないという。その事実を挙げ「戦争も災害もそうだが、日本人は忘れやすく、検証が苦手だ。東日本大震災では松島基地が被災し、戦闘機に相当な被害が出た。なぜ離陸させなかったのか、自衛隊が何たる有り様だ、と言われたが、地震で滑走路が傷み、飛ぶ方がもっと危なかった、という話で終わっている」。鎌田氏は「あれだけの死者、行方不明者が出た、阪神・淡路や東日本大震災の体験も既に風化しつつある」と見る。

結論的に、鎌田「『防災省』創設には大賛成だ。米国で言えばFEMA(フィーマ=連邦緊急事態管理庁)だ。大災害発生時に支援活動を統括する」、石破「地方創生相時、FEMA長官と会い、平時の最大の仕事は首長、議員をきちんと教育、啓蒙することだと聞いて、なるほどと思った」と。今、日本列島全体が人材、インフラ面とも高度な有機体としてあり、一括的に広く防災網を張る必要がある。

戦争は人力で食い止められるかもしれないが、天災ばかりは科学の力でもその襲来を抑えることはできない。「デジタル庁」も「子ども家庭庁」も大事だが、防災省創設が急務だとする、至極まっとうな議論だ。

メルマガで地震予測

ほかに週刊ポスト4月8・15日号「3・16福島県沖地震を発生7時間前に予測、的中/村井俊治東大名誉教授が警告『4月12日までに北陸で巨大地震』」という記事。3月16日深夜、宮城、福島両県を震度6強の地震が襲ったが、村井氏が会長の地震科学探査機構配信アプリ・メルマガの同日午後4時配信号に、<4月20日頃まで>に岩手、宮城、福島3県<東北地方>の太平洋側で<M6・5±0・5>の地震が起きると発出されていた。地表の上下動の「隆起・沈降」などの指標を総合的に分析し、AI(人工知能)も使い危険度判定を予測した。

村井氏はさらに<4月12日頃まで>に石川県、福井県、岐阜県の一部の「北陸地方」で巨大地震の予兆があると警告する。ただし誌上掲載の、昨年9月来、測量で異常変動のあった箇所の地図を見ると、警戒ゾーンが広過ぎ警戒期間がずっと続いていることなど予報にはかなわないのではないか。活用次第では生きる資料だ。(片上晴彦)

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