トップオピニオンインタビュー揺らぐ民主国家の信頼性 家庭連合解散に広がる懸念 前EU信教の自由特使 ヤン・フィゲル氏(下)

揺らぐ民主国家の信頼性 家庭連合解散に広がる懸念 前EU信教の自由特使 ヤン・フィゲル氏(下)

ヤン・フィゲル氏

――世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)の解散が確定した場合、他の宗教的少数派や他の人権の扱いにどのような影響が生じるか。

これが確定すれば、日本そのもの、国のイメージ、民主国家としての信頼に対して悪影響を及ぼすだけでなく、エホバの証人などの小規模・新興宗教といったコミュニティーにも脅威をもたらしかねない。

日本は、世界各地で起こった抑圧が内部対立を招き、国家によるイデオロギー統治がもたらした害から学ぶ必要がある。国家は多数派や特定のグループだけのものではなく、全国民のために存在することを認識するべきだ。

――あなたは信教の自由はすべての人権についての「リトマス試験紙」だと指摘している。

宗教の自由は、思想の自由、良心の自由と合わせて理解されるべきものだ。だからこそ、信仰者だけでなく、無宗教、無神論者に至るまで、誰もが自己の信念・信仰・良心を尊重される権利を持つ。この人間の「内面の自由」は、国際人権規約B規約の18条や世界人権宣言の18条で保障されている。

この内面の自由が尊重されなければ、言論や意見、報道、集会、結社といった「外的表現の自由」も制限されたり、脅かされたりする。

個人の内面から始まり、それは例えば宗教行為という形で外的に表現される。人は同じ志を持つ仲間と、家族単位、さらにそれを超えた共同体を形成したいと願う。

内面の自由は絶対的であり、国家や権力、制度はこれを全面的に尊重すべきだ。一方で、外的表現の自由は制限可能だが、それは合法的で正当かつ相応なものでなければならない。

――あなたは早い段階から家庭連合の解散に反対していた。解散反対の声は、国際的に高まっているか。

個人的に日本の首相と外相に書簡を送ったが、正式・非公式を問わず一切返事がなかった。しかし、反対の声は確実に大きくなっている。日本はもともと穏健な民主国家として尊敬を集めてきたが、そのイメージは今、打撃を受けている。政府・民間を問わず世界中で家庭連合の解散に対する懸念や驚き、抗議の声が上がっているということも聞いている。

20世紀に多くの国、特に欧州で起きた民族的・宗教的少数派への迫害という失敗を、21世紀の今、日本は繰り返してはならない。多数派ではなく、少数派をどう扱うかが、その国の民主主義の信頼性を測る試金石となる。

――国連はこの問題で何ができるのか。

国連人権理事会の宗教または信条の自由に関する国連特別報告者、ナジラ・ガネア氏を通じて、日本との対話を主導できるはずだ。

ガネア氏は、マイノリティー宗教に対する宗教の自由の侵害の可能性を調査するため日本訪問を公式に要請したが、日本政府は受け入れていない。日本は同氏を通じた国連との対話を受け入れ、積極的に取り組むべきだ。

――米国が日本に及ぼす影響力を考えると、トランプ政権にできることは。

政治的にも道徳的にも、最大の影響力を持つ国、米国こそがこの問題について、最大の責任を負うべきだ。米政府がこの問題に公正かつ真剣に取り組み、日本との高官レベルでの対話の枠組みを構築することを期待する。金やビジネスよりも各コミュニティーのすべての人々の尊厳の方がはるかに重要だからだ。トランプ大統領とその政権は、大きな影響を与え、前向きな変化をもたらすことができる。

(聞き手=ワシントン山崎洋介)

家庭連合解散決定は「恣意的」 国連勧告無視に警鐘 前EU信教の自由特使 ヤン・フィゲル氏(上)

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