
――「宗教法人の解散について公平かつ公正な審理を求める」という声明文を発表し、署名運動を呼び掛けているが。
どのくらいのインパクトがあるかはともかく、裁判に影響を与え得ると考えてやっている。
文科省の陳述書偽造疑惑は、信者の小笠原裕さんや代理人の徳永信一弁護士が告発している。それが重視されて刑事で捜査が進むのがベストだ。文科省からは被害者約200人の陳述書を出しているが、裁判所側も文科省が出した証拠の信用性を低く見てくれなければ困る。教団のコンプライアンス宣言後の数字を裁判所が考慮していないこともひどい。
――文化庁の宗教審議会や行使した質問権の内容など、一連の手続が非公開だ。解散命令裁判が公開されない理由をどう見るか。
法律の建前は、原則は公開だけれども国家の後見的な役割などの理屈で非訟裁判として非公開となっている。質問権の回答はプライバシーに関わるから非公開にされるとしても、行政手続だろうと何だろうと情報開示される時代であり、透明性がなければならない。行政手続なら非公開でいいとしても、国と宗教団体が争っている対立構造があるのだから、それを裁く裁判所は中立でなければいけない。中立性を保つために憲法上は公開が原則だ。この憲法原理から考えれば公開されるべきだ。憲法学者の小林節氏も公開を主張している。
――どういうかたちで公開裁判に持っていくか。
道はある。先日、記者会見をしていたが、徳永弁護士と「信者の人権を守る二世の会」の小嶌希晶さんたちが解散裁判に利害関係参加を主張している。原則は公開なのだから、利害関係が強い信者や職員が参加できるのは当然だ。その他の方法も検討中だ。
――この時期に教団に賠償請求する2世信者の集団提訴が起きたのは、高裁での抗告審を意識した動きと考えられるか。
詳細は分からないが、教義が問題だというなら、安倍事件前にも賠償請求はできた。この時期にやってきたのは要するに、世論を反家庭連合に導いて裁判所の決定を解散に導こうとしているのだろう。安倍事件後に兄弟が自殺したので慰謝料を求めている二世もいるが、教義というよりもメディア報道が原因である部分も多いだろう。
――文化庁の指定宗教法人の清算に係る指針検討会の指針骨子案も発表された。早くも残余財産に触れ、「将来の清算結了後に清算法人に代わって弁償を行う財団を設ける」など、教団資金にある種の思惑が働いているようだ。
霊感弁連(全国霊感商法対策弁護士連絡会)としては、多くの賠償を受けられれば弁護費用も儲かるという思惑があるのだろう。霊感弁連も被害者救済に乗り出せと国にプレッシャーをかけているはずだ。
だが、ほとんどのメディアは報じてないが、被害者救済と解散は別だ。そもそも霊感弁連は2012年に文科省が家庭連合の解散命令請求をしない不作為が違法だと国家賠償請求をして5年かけて争い、2017年に霊感弁連側が負けた。その判決では、「個々の関係者の救済は解散制度とは無関係」と言っている。被害者救済のためには、むしろ解散しない方がいいとも言える。
解散は、オウム真理教のようにサリン事件などで治安を害し、将来の取り返しがつかない被害が出ることを抑止するためにある。今の家庭連合に、法人を存続させると将来に取り返しがつかない被害が生じるとは思えない。
(信教の自由取材班)






