総裁任期中の憲法改正に意欲を示すなど再選を目指すような動きがあっただけに、このタイミングでの辞任表明はサプライズだった。岸田首相は総裁になって間もない2021年10月に解散を打ったり、派閥を解消したりしたことから分かるように、最後は自分で決断する人なのだろう。
来年は参院選、都議選が控え、衆院選も近いうちに行われるが、今のままでは自民が負けてしまい、自身が総裁選に出ても勝てないと踏んだのだろう。
9月には派閥解消後の初めての総裁選が行われる。それぞれの国会議員が、誰を総理にしたら自分が勝ち残り、自民党が再生でき、日本の将来にとってよいのかということを踏まえて主体的に投票するのが望ましい。旧派閥の力学が働けば、自民が変わったことを示すことができず、国民は自民に失望するだけだ。
次の党の顔を考えると、世論調査で国民的人気の高い小泉進次郎元環境相と石破茂元幹事長が有力だ。このほか高市早苗経済安保担当相、小林鷹之前経済安保担当相の出馬が注目される。
新総裁選出後に支持率が好転すれば秋にも衆院解散になるだろう。好転しない場合は来年に先延ばしされる可能性がある。