【持論時論】女性の美は社会貢献 自己肯定感高めるおしゃれ 美容家 林亜矢子さんに聞く

美容家 林亜矢子さんに聞く

「女性が美しく輝くことは、社会貢献」
こう断言するのは、東京・銀座で美容サロンを営む林亜矢子さん。自ら美容クリームの開発や女性経営者のプロフィル写真撮影なども手掛ける林さんに、“美”に対する熱い思いを語ってもらった。(聞き手=辻本奈緒子、写真=加藤玲和)
はやし・あやこ 徳島県徳島市生まれ、千葉県白井市育ち。東京ビューティーアート専門学校で1年学び首席で退学、当時日本トップの先生のいるネイルスクールへ転入。東京・銀座で美容サロンSWAN主宰。2018年に美容クリーム「ブリリアントクリーム」を開発し、その販売の他、マダムの写真ギャラリー、女性経営者のプロフィル写真の撮影などを手掛ける。

――肌荒れに悩んでいたことをきっかけに美容の道を志したとか。

私はもともと美意識が高く、物心ついた頃から美しいものや美しい世界に関心を持ったり、素敵な大人の女性に憧れを抱いたりしていました。

しかし中学生の頃からニキビができるようになって、肌が荒れ始めました。「なんとかしなきゃ」と躍起になったのがかえって良くなかったようで、どんどん悪化して、それが約16年間続きました。

高校生の時にアルバイトをして美容皮膚科に通って、1本2万円の高い化粧品を数本買うというようなことをしていましたが、一時的には落ち着いても、一向に良くなりませんでした。

化粧品業界は一つの悩みに特化していて、例えばニキビを治したい場合、ニキビにだけ効くようになっていて、たるみに効く化粧品はたるみを引き上げることしかしてくれません。しかし女性の本音は「綺麗(きれい)になりたい」のであって、「ニキビを治したい」のが目的ではありません。

その後ネイルサロンを開業した頃は、ネイルの技術を極めて、その世界で一流になろうと思っていました。でも今思えば、選択肢を狭めてしまっていたのです。

爪を綺麗にするだけでも、気分が上がって自己肯定感も上がることは体感しています。でもどこか隠れたいというか、自信を持てない自分が当たり前のようにありました。お客さまと話していても、そんな思いを持っている人が非常に多いと感じました。本当は、全身綺麗になりたいはずです。

女性にとって顔の問題は、自分の存在そのものです。肌が荒れて鏡を見るのも嫌という経験のある人も多いのではないでしょうか。自分を好きにならないと、人生はいいものになりません。そのため私は何としてでも綺麗になりたいと思って、化粧品の開発を始めました。

化粧品を作る過程で、アロマの効果を実感しました。神経を癒やすアロマの作用で心が落ち着き、気付いたことがありました。

――気付いたこととは?

皮膚は第三の脳といわれます。意思や記憶、感情がある。「肌で感じる」という言葉もありますが、ある人とは馬が合うとか、この人といると疲れるとか、肌もちゃんと感じているわけです。

肌に化粧水を塗る際にパンパンと叩(たた)くようにすることがありますが、肌はそれで気分がいいか、考えてみてください。角質がたまればこすることもありますが、触れ方というのはとても大切です。高いエステサロンと安いエステサロンの違いはそういうところで、ネイルサロンもそうです。

自分の肌のことを自分のものとして扱ってはいけないというのが、大きな気付きでした。唯一無二の私の肌は24時間365日休みなく、お給料ももらわず、私のためだけに働いてくれています。私がねぎらわずに誰がねぎらってくれるでしょうか。

自分の肌を「綺麗で当たり前でしょ。なぜ汚いの?」といじめていたことが、申し訳なかったと思いました。それに気付かせてくれたのが、アロマを調合したクリームでした。自然からの恩恵です。

――女性向けにプロフィル写真の撮影もされているそうですね。

ネイルを通じてお客様に喜んでもらっていましたが、それだけでなく「あなたは全身美しいですよ」と伝えたい気持ちがどんどん高まりました。その方法が、メークや写真でした。

写真は、自分自身の価値をもっと知ってほしいという思いで撮っています。「あなた、自分がどれだけ綺麗か分かってます?」と。鏡を見た時に、醜いからメークで隠して綺麗にするのと、自分にはこういうメークが似合うんじゃないかな、こっちの色の方がもっと綺麗に見えるわ、というのとは全く価値観が違いますよね。自分の価値を高めるために何をしてあげようかという意識が大切です。

――日本人女性の美について、どう考えますか。

私は60代以上のマダムと接するのが好きで、特に昭和初期の時代を生きた人は独特な美しさを放っていますよね。女性も男性も、言葉遣いや仕草に品があります。

現代の風潮として感じるのは、芸能人など若くて幼い雰囲気の女性を良しとする価値観です。でも、年を取るほど美しくなることを体現している80代、90代の人もいて、ピンクのワンピースを着たりかわいいお帽子をかぶって笑顔でいっぱいアクセサリーを着けたり、堂々と自分の人生を楽しんでいます。

女性は誰もが美しいし、美しくなりたいと望んでいると思います。ただ若く見えるのが素敵だというのではなく、女性も男性も堂々と歳(とし)を重ねられるようになればいいのではないでしょうか。

――女性が生き生きと輝くためには?

女性が輝いていることは社会貢献だと思います。家庭でも、お母さんが綺麗でご機嫌だと家族は嬉(うれ)しいですよね。

まず、お気に入りの服を着て出掛けてみてはどうでしょうか。近所でも構いません。丁寧にメイクをして、今自分ができる最高のおしゃれをして最高の笑顔を振りまくのは、すぐにでもできると思います。美しい自分になればどんどん美しい言葉が出てきます。それが誰かの役に立つのです。

女が喜ぶと書いて「嬉しい」。女性が喜んで綺麗であることは女性の喜びでもありますが、男性から見れば女性が喜んでいる姿が嬉しい平和な世界と思うのでしょう。

――男性の読者に伝えたいことはありますか。

男性はとにかく、女性を褒めてください。奥さんに「わぁ、今日も綺麗だね」と。女性同士で褒め合うのもいいですが、女性としての自信を無意識に受け取れるのは、男性からの言葉です。言葉で伝えた方がより、女性にとっては大きなポイント。照れている場合じゃない。妻が喜びにあふれて綺麗で輝いていれば、「この幸せを作っているのは俺だよ」と言えます。

それに対して女性も、いつもありがとう、素敵よ、という言葉を返す。キャッチボールです。また女性は、「私、毎日可愛(かわい)いって言ってほしいんだけど」とお願いするのも大事です。「この帽子、可愛いでしょ」と言えば、男性も「可愛い」と言いやすくなります。

spot_img
Google Translate »