Homeオピニオンインタビュー露朝接近で軍事技術移転も 日本海側に中国基地は脅威 米紙ワシントン・タイムズ・アジア支局長 アンドリュー・サルモン氏

露朝接近で軍事技術移転も 日本海側に中国基地は脅威 米紙ワシントン・タイムズ・アジア支局長 アンドリュー・サルモン氏

――欧州、中東、アジアで戦争が同時発生、つまり中国が台湾に軍事侵攻する可能性はあるか。

それは起こり得る。注視すべきシグナルは二つある。一つは、台湾が民兵組織をいつ構築するかだ。キーウやハルキウなどウクライナの主要都市が守られたのは、市民が銃を持って戦ったからだ。これは台湾にとって大きな教訓だ。台湾軍は小さいが、島全体に民兵を配置すれば、中国も侵攻できない。

もう一つは、英情報機関関係者から聞いた話だが、中国人民解放軍は主に海南島で上陸侵攻演習を行っているが、陸、海、空、サイバー、宇宙、すべての部隊が一体となった演習はまだ行っていない。

つまり、次期台湾総統選で民進党が勝利した場合、民兵組織を作るのかどうか、そして中国が完全な軍事演習を行うのかどうか。この二つを注視する必要がある。

――中国が台湾に侵攻した場合、北朝鮮はどのような形で中国を支援すると考えられるか。

中国と北朝鮮が攻撃を調整するほど友好的とは思えない。しかし、中国が台湾を攻撃した場合、北朝鮮が韓国を攻撃することは間違いないだろう。

韓国は中国を怒らせないように非常に気を使っている。従って、韓国は北朝鮮の侵略を防ぐことを理由に台湾のためには戦えないと言うだろう。

その一方で、ほとんど語られていないのが、韓国済州島にある海軍基地の存在だ。黄海をコントロールできる位置にある。もし韓国が米国と共に戦うことになれば、中国は済州島の海軍基地をどうにかしなければならなくなる。

――韓国社会は北朝鮮寄りになっていると言われるが。

 国社会がリベラル化しているのは確かだが、北朝鮮寄りになったという見方には反対だ。史上最も北朝鮮寄りだった文在寅前大統領でさえ、米国との関係や対北朝鮮制裁を維持した。

 韓国の若者たちは自由な人生を望んでいる。尹錫悦大統領の反対デモに行くとそれが分かる。参加者は40~60代ばかりで、若者はほとんどいない。韓国社会は親北化とは逆の方向に進んでいる。

 北朝鮮への接近を望む左翼勢力は必ず存在する。民主主義国家では普通のことだ。しかし、それが大きな勢力だとは思わない。

――韓国社会の反日感情はどうか。

福島原発の処理水放出に対する抗議活動は大きくならなかった。慰安婦運動も、主導していた市民団体の汚職や虚偽が判明したことで下火になっている。かつての韓国人は気性が激しく、民族主義的だったが、若者たちは違う。クールでオープンマインドだ。社会の発展があまりにも早かったため、韓国には大きな世代間ギャップがある。

世論調査でも明らかになっているが、韓国社会はむしろ、「反日」から「反中」にシフトしている。習近平国家主席が韓国を含め世界各国を中国嫌いにしているためだ。これは日韓にとって好ましいダイナミズムである。

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