日本独自の核抑止力を
――米国は日本の核保有を許さないのでは。
許すも許さないも、日本の主権と防衛のために必要であればやるしかない。持たなければ、中国や北朝鮮の言いなりになるだけだ。
米国としても、日本が中朝の核恫喝（どうかつ）に屈すれば、日米安保体制が機能しなくなり、西太平洋の覇権を失うことになる。それを阻止するには中朝と大規模通常戦争を北東アジアで戦わねばならなくなる。米中核戦争にもなりかねない。それならば、日本を同盟国として信頼し、日本独自の核抑止力を認め、日本が中朝の核恫喝に屈しない態勢を取らせた方が、米国の国益にも適（かな）うことになるだろう。
――核保有を議論することすら許されない日本の風潮をどう変えていったらいいか。
一般国民の意識が核アレルギーで凝り固まっている。国民が本当に核問題を考えるようにならなければ、根本的には変わらないと思う。国民の過半数が可能なら核を保有したいと言っている韓国や台湾の方がよっぽど健全だ。
米国の核の傘はもう通用しない時代であり、日本の為政者は内々でもいいから準備だけはしておいてほしい。そして核恫喝には屈しないという覚悟を持ってもらいたい。
（聞き手＝窪田伸雄、早川俊行）
