【インタビューfocus】日韓首脳会談は対北抑止力に 前米国務長官 マイク・ポンペオ氏(上)

Mike Pompeo 1963年、米カリフォルニア州生まれ。86年に陸軍士官学校を卒業し、ベルリンの壁崩壊前の「鉄のカーテン」を警備する任務に当たる。ハーバード大法科大学院を修了後、カンザス州で会社を設立。2010年に下院議員に初当選。トランプ前政権では中央情報局(CIA)長官、国務長官を歴任した。現在は有力シンクタンク、ハドソン研究所特別研究員などを務める。

北の核開発、中国が後押し

ソウルで開催された国際会議出席のため訪韓したマイク・ポンペオ前米国務長官は3日、世界日報、米紙ワシントン・タイムズ、韓国紙セゲイルボの3社共同インタビューに応じ、日韓首脳会談の重要性、中国や北朝鮮、ウクライナ情勢について語った。(聞き手=ソウル・豊田 剛)

――岸田文雄首相が韓国で尹錫悦大統領と会談する。その意義をどう考えるか。

韓国大統領が3月に日本を訪問し、12年ぶりに首脳会談を行った。そして、7日には岸田首相がソウルを訪れ、首脳会談を行うことになった。とても素晴らしいことだ。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記に対して大きな抑止力となるだろう。

日韓の歴史がいかに難しいか知っている。日韓両首脳にとって、関係改善が難しいことも理解しているが、金総書記に大きな圧力をかけることができる。

――米国の外交防衛政策では日韓の協力関係が欠かせない。在任中、両国関係が悪化したが、北朝鮮や中国の問題で影響はあったか。

トランプ政権の末期は大変な日々だった。日本と韓国が情報共有をしなくなった事実は米国にとって不利益だった。今は情報共有を回復しており、うれしく思う。

北朝鮮に対しては、自由主義国家は歩調を合わせている。韓国内では、政党によって北朝鮮への向き合い方やビジョンが異なる。文在寅前大統領は、尹大統領とは全く異なる理解を持っており、それが私たちをいら立たせた。

――尹大統領とバイデン大統領は4月26日、ワシントンで首脳会談を行い、米韓で核抑止を議論する核協議グループ(NCG)を創設することで合意した。北朝鮮核への抑止効果は期待できるか。

まだ様子を見るところだが、意味があることだと思う。両者が最後まで合意内容に取り組み続け、実際に成果を出すことができるかが問題になってくる。北朝鮮の核開発や中国の大規模な核プログラムに対する抑止力を失ってしまう危険は常にあると思って警戒しなければならない。

抑止力を担保するために、核のトライアド(大陸間弾道ミサイル・潜水艦発射ミサイル・戦略爆撃機の3本柱)というものがある。同盟国に対する攻撃はいかなるものも意味を成さないというのが中心メッセージだ。

――北朝鮮に対峙(たいじ)する際、中国を潜在的パートナーとして見るべきか、それとも米国、中国、ロシア、日本、韓国、北朝鮮の6者協議の枠組みで見るべきか。北朝鮮の核問題に対する中国の立場をどう見るか。

明らかに言えることは、中国の習近平国家主席が金総書記の行動を後押ししているということだ。両国はパートナー関係にあり、一体のものとして見るべきだ。その中には、核プログラムも含まれていると考えるのが妥当だ。

とはいえ、金総書記にもある程度の統治権と独立性があり、まれに習主席の望まない行動をする時もあるだろうが、重要な局面ではあり得ない。

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