原因は独裁、市民ら認識 中国「白紙デモ」の背景 在米中国民主化活動家 楊建利氏に聞く

不満募り退陣要求 SNS駆使し拡散

11月27日、北京市の名門・清華大で、抗議の意思を示す白紙を掲げる学生(目撃者提供・時事)

――抗議デモは、習氏の3期目にどう影響を与えるか。

経済危機や新型コロナによる死者の増加などが重なれば、人々は再び抗議活動を行うことになるだろう。そうなると、指導者層の中には、習氏に挑戦しようという者が出てくることもあり得る。習政権が簡単に崩壊するとは思わないが、1カ月前に比べると、その可能性が出てきている。

――多くの人が考えていた以上に、中国国民の政権に対する不満が高まっていたのか。

長年、米国など西洋の多くの人々は、中国共産党のプロパガンダを鵜呑(うの)みにしてきた。つまり、中国の国民は満足しており、政府や習氏を支持している、と誤解していたのだ。ハーバード大学ケネディスクール・アッシュセンターが10年連続で実施した世論調査によると、中国国民の90%以上が体制に満足し、支持しているという。中国外務省の報道官は1月にその調査結果を引用し、「中国政府は、国民の政府への満足度において世界最高ランクを享受している」と自画自賛した。

しかし、今回、この世論調査が不正確であることが示された。中国の人々が政府に満足し、支持しているという認識は間違っている。抗議デモを通して、われわれは中国の人々が長年にわたって心の内に抑えてきた思いを知ったのだ。

――デモ参加者たちは新疆での火災の犠牲者に哀悼の意を示したが、そこで行われている少数民族弾圧の状況を知っているのか。

新疆での政策が中国の他の地域よりも非常に抑圧的であることを人々は知っている。なぜなら、中国はそのプロパガンダの中で、「宗教的過激派、テロリストを厳しく取り締まらなければならない」などと常に言っているからだ。中国に長く住んでいる人であれば、新疆で過酷なことが行われていることが分かる。

また、若者はグレート・ファイアウオール(中国国内のネット検閲システム)を回避する方法をよく知っている。彼らは、新疆で重大な人権侵害が起きていることを多かれ少なかれ知っていると思う。

――抗議デモへのバイデン政権の対応をどう思うか。

バイデン政権が表明した支持には感謝するが、十分なことをしたとは思わない。報道官による発言のみで、本人は何も言っていないからだ。少なくともバイデン氏が自らカメラの前で、何か述べるべきだ。

――日本を含む国際社会は、中国の人々を支援するために何ができるか。

まず、中国でデモが行われた際に、各国は「政治的変化を求める平和的なデモを支持する」と、はっきりと表明すべきだ。同時に、中国政府に対して、抗議デモへの厳しい弾圧に対して警告を発するべきだ。習氏は支配を維持するために暴力的に弾圧する可能性が非常に高い。

国際社会は、弾圧すれば、大きな代償を払うと直ちに表明しなければならない。それは、流血の悲劇を防ぐためだけでなく、大規模な弾圧が中国に恐怖をもたらし、習氏の支配を継続させることにつながるからだ。

さらに、日本や米国などで民主派の中国人留学生との関係を築くことだ。そうすれば、中国で何か起きた際に、政府は誰に相談すればいいのか、いかに中国に支援を届けられるかが分かるはずだ。

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