「澎湖諸島有事は日本有事」 東アジア全体の戦略的要衝 次期台湾澎湖県長 陳光復氏単独インタビュー

中国の軍事威嚇に屈せず

台湾の離島・澎湖諸島は、台湾本島と中国大陸の間に位置する戦略的要衝だ。先月26日の台湾統一地方選で澎湖諸島を管轄する澎湖県長(知事に相当)に民進党候補として当選した陳光復氏(67)が世界日報の単独インタビューに応じた。陳氏は澎湖諸島が中国から台湾を守る「防衛の第一線」であると強調するとともに、同諸島が中国に侵攻されれば日本の海上交通路も脅かされることから、「澎湖有事は日本有事」だと主張した。一問一答は以下の通り。(聞き手=台湾澎湖県馬公・早川俊行、村松澄恵)
陳光復 1955年、台湾・澎湖諸島生まれ。高雄市議会議員、立法委員(国会議員)を歴任。2014~18年に澎湖県長(知事)を務め、先月26日の統一地方選で2度目の当選を果たす。今回の地方選では与党・民進党が大敗したが、21県市長選で唯一、同党が野党・国民党から首長ポストを奪還したのが澎湖県だった。

――澎湖諸島の軍事的重要性をどう見る。

台湾海峡にある澎湖諸島は、金門島や馬祖島とは異なり、中国大陸と一番近い福建省とも百数十㌔離れている。台湾から見た時、澎湖は戦略上、防衛の第一線だ。

台湾海峡は日本や韓国など東アジア諸国にとって重要な航路であり、澎湖は軍事だけでなく世界経済にとっても重要な位置にある。澎湖を守ることは台湾のみならず、日韓のサプライチェーンを守ることにつながる。

安倍晋三元首相は「台湾有事は日本有事」と語ったが、「澎湖有事は日本有事」と言えるだろう。

――ペロシ米下院議長が訪台した8月以降、中国軍による挑発行動が大幅に増えたが、最前線である澎湖諸島への影響は。

ペロシ氏が台湾を訪問したのは、国際的に台湾の重要度が増したからだ。海外から多くの政治家が台湾を訪れ、また安倍元首相が台湾に大きな関心を寄せてくれたことにとても感謝している。

澎湖周辺海域では、中国が海底から砂を建設用に持ち運んでいる。これにより、漁場の生態系が崩れ、澎湖全体に著しい経済的損失が生じている。すでに漁業関係者を中心に中国への反感が強まっていたが、これに加え、今度は軍用機などを使って軍事による脅しを仕掛けてきている。

中国共産党のゼロコロナ政策は、人を人と見なさない暴力団のようなやり方だ。このような彼らの行動は、澎湖でも反中感情を高めている。中国の脅しは住民の恐怖感を高めるよりも、むしろ自由と民主主義を守らなければならないという決心を強めている。

――台湾海峡有事への備えは。

県長という立場は、戦時には「民間人の指揮官」として、民間人の防衛、補給、消防、救援の指揮を行うことが求められる。澎湖が戦略的に重要だということは、それだけ澎湖県長の立場も重要になる。人々の先頭に立ってこの島を守っていかないといけないと思っている。

県長は中央政府の考え方や立場と一致していなければならない。今の中央政府の考え方は専制主義に反対する「抗中保台(中国共産党に抗〈あらが〉い、台湾を守る)」だ。もし県長が中央政府と協力しなければ、台湾防衛の第一線と日韓の航路が脅かされることになる。

われわれは戦争を求めてはいない。だが、準備はしないといけない。戦争では尊厳を取るか、屈辱を取るかの選択になる。ウクライナ戦争が示すように、屈辱を選んで投降したとしても命の保証はない。だから、正しい選択をしなければならない。

spot_img
Google Translate »