2015年春、東京都渋谷区でいわゆる「同性パートナーシップ条例」が成立・施行された。以降、左翼的なLGBT運動が活発化するのに合わせ、「世界日報」はこの運動の危険性を指摘し、社会に警鐘を鳴らす記事を多数掲載してきた。そして今年5月、「世界日報LGBT問題取材チーム」はLGBT運動の本質が〝性革命〟であることを明らかにするため、「『LGBT』隠された真実 『人権』を装う性革命」を出版した。この小冊子は、LGBT問題の解説や日本における動向などを紹介。また、数年後の日本の未来を暗示しているとして、〝LGBT先進国〟とも言える米国をはじめとした海外の混乱事例を詳しく伝えている。取材チームの一人で、長年LGBT運動を追い続ける編集員の森田清策さんに、小冊子を通じて若者に伝えたいメッセージなどを聞いた。
Amazon 「LGBT」隠された真実 「人権」を装う性革命
――今回、本を出版した狙いは。
共著なので、執筆の思いはそれぞれ違うと思うが、私には三つの狙いがある。一つは一夫一婦制を守ることだ。人間は性を野放しにすると、放縦になる傾向がある。それを一組の男女に収斂(しゅうれん)させるのが一夫一婦制の目的の一つと言える。
それに対して、「性の多様性」という考え方を基本とする現在のLGBT運動は「性の解放」つまり放縦に向かわせてしまう危険がある。一夫一婦制と同性婚は共存できると主張する人、あるいは楽観的に考える人がいるが、この二つの方向性はまったく逆のものだ。
二つ目は、LGBT運動は「多様性」を旗印にしながらも、実際は自分たちの考え方に反対する思想・信条、そして宗教を抑圧する。それに警鐘を鳴らしたいと思った。
三つ目の狙いは、読んでくださった人が「性」を考えるきっかけにしてほしいということ。私たちは日常生活の中で、性を話題にすることはほとんどない。そのためもあって深く考えることをしない。そのことによって、LGBT運動の抱える危険性が見えなくなり、運動を拡大させることにもつながっている。
人間が性モラルを確立させてきたのは、人を抑圧するためではない。「自由になりたい」とモラルを崩壊させれば、欲望に支配されて、本当の意味での自由を失う。そんなことを考えてもらうことが出版に至った私の思いだ。
――本書の中にはLGBT問題に対して科学的なデータを多用している。この問題を〝科学的に捉える〟ということの意義について。
まず自分の偏見や間違いを排するためだ。LGBT問題について科学的に捉えることで、客観的に見ることができる。それをしないと説得力を持ち得ない。
また、現在の運動の中で使われている「性的指向」「性自認」、そして「パートナーシップ」「トランスジェンダー」などの外来語は、一般の人がその定義を正確に把握するのは難しい。また、常日頃、性について深く考えない人は、誘導性の強い、これらの言葉で組み立てられた未知の〝土俵〟の上で性の問題を考えさせられてしまうから反論できないでいる。LGBT運動が作り上げた枠組みで性を考えるのでなく、自分の頭で冷静に考えてもらう上で、客観的なデータは重要である。