社説

【社説】維新新体制 憲法改正の機運を高めよ

日本維新の会は大阪市内で開いた臨時党大会で代表選の投開票を行い、馬場伸幸共同代表を新代表に選出した。先の参院選では、維新のほか自民、公明、国民民主各党など憲法改正に前向きな「改憲勢力」が、非改選も含めて改憲発議の条件となる3分の2(166議席)を維持した。維新は改憲の機運を高めるべきだ。

【社説】「全数把握」見直し 政府の責任で全国一律化を

岸田文雄首相は新型コロナウイルス感染者全ての氏名などの情報を確認する「全数把握」を見直し、高齢者らに限定できるよう新たな仕組みを導入すると発表した。医療現場の負担を軽減するための措置だが、全国一律ではなく、導入の判断を都道府県に委ねるのは中途半端で混乱を招く。

【社説】食料安全保障 危機感持って国産体制強化を

ロシアによるウクライナ侵略で日本の食料安全保障が揺らいでいる。自給率向上や過度な輸入依存からの脱却などを図り、国産体制を強化する必要がある。

【社説】警察庁長官辞意 重大問題残す安倍元首相警護

奈良県奈良市で参院選自民党候補者の応援演説を行っていた安倍晋三元首相が銃撃によって殺害された事件をめぐり、警察庁の中村格長官が辞意表明し、また奈良県警の鬼塚友章本部長も辞任する意向を示した。

【社説】原発新設へ 電力の安定供給につなげよ

岸田文雄首相は首相官邸で開いた「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」(議長・首相)で、次世代型原発の開発・建設や原発の運転期間延長などについて「年末に具体的な結論を出せるよう検討を加速してほしい」と指示した。

【社説】露の侵略半年 ウクライナ勝利へ支援続けよ

ロシアのウクライナ侵略開始から、きょうで半年となる。力による一方的な現状変更の試みは断じて容認できない。きょうはウクライナの旧ソ連からの独立記念日でもある。日本をはじめとする民主主義陣営は、ウクライナが主権と領土を守り抜くことができるよう十分な支援を続けるべきだ。

【社説】スリランカ 日本は債務再編を主導せよ

スリランカのウィクラマシンハ大統領は日本に対し、中国やインドなどの債権国を集め、2国間の債務再編に関する協議を開催するよう要請する考えを示した。9月に訪日し、岸田文雄首相と会談する予定だという。

【社説】ヒアリ対策 早期発見で定着を阻止せよ

環境省は強い毒性を持つ特定外来生物「ヒアリ」の侵入や分布拡大を防ぐための対策を強化する方針だ。ヒアリに刺されると強い痛みが生じ、最悪の場合では死に至るケースもある。定着阻止に全力を挙げるべきだ。

【社説】五輪汚職 選手の努力踏みにじった不正

東京五輪・パラリンピックの大会スポンサー選定などをめぐって紳士服大手AOKIホールディングス側に便宜を図った見返りに計5100万円の賄賂を受領したとして、東京地検特捜部は受託収賄容疑で大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者、贈賄容疑で同社前会長の青木拡憲容疑者ら3人を逮捕した。

【社説】日米韓防衛協力 日韓関係の改善が不可欠

海上自衛隊と米韓両国の海軍がハワイ沖で弾道ミサイルの探知・追尾訓練を実施した。核・ミサイル開発を進める北朝鮮を念頭に、連携して対処する能力の向上を図ることが狙いだ。日米韓の防衛協力強化には、日韓関係の改善が欠かせない。

【社説】穀物輸出継続 ウクライナに航路を保証せよ

ロシアのウクライナ侵略により、ウクライナ産小麦をはじめとする穀物の輸出が滞った影響は、世界各地で食料危機を招きかねない。今月に入り輸出が再開されたが、航路を保証し安定的に輸出の継続を図るべきだ。

【社説】4~6月期GDP コロナ前回復も楽観できず

2022年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、実質で前期比0・5%増、年率では2・2%増だった。実額は年率換算で542兆円となり、新型コロナウイルス感染拡大前の19年10~12月期(540兆円)の水準を回復した。

【社説】テロ国家指定検討 米国は対露圧力を強化せよ

米国で、ウクライナを侵略したロシアのテロ支援国家指定を求める声が強まっている。ロシアは民間人虐殺や原発攻撃など国際法違反の非人道的行為を繰り返している。判断権限を持つ国務省は慎重に検討しているが、ロシアへの圧力を強めるべきだ。

【社説】タリバン支配1年 人道支援・テロ対策が急務

アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンが20年ぶりに実権を握ってから1年がたった。

【社説】終戦の日 平和を担保するのは抑止力

きょうは終戦の日。先の大戦の終結から77年が経過した。戦陣に倒れ、戦禍の犠牲となった300万同胞の御霊の安らかならんことを祈りつつ、戦争と平和について考えたい。

【社説】日野自動車不正 企業体質改善し再発防止を

日野自動車は排出ガスや燃費のデータ改竄(かいざん)をめぐって、不正行為が少なくとも2003年から行われていたことを明らかにした。

【社説】大谷選手の偉業/弛まぬ挑戦に勇気もらう

米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手が、昨年のア・リーグ最優秀選手(MVP)獲得に続く偉業を成し遂げた。「野球の神様」と呼ばれるベーブ・ルース以来、104年ぶりとなる「2桁勝利、2桁本塁打」を達成した。

【社説】原発への砲火 露軍は惨事回避に向け返還を

ロシア軍がウクライナ南東部で占拠したザポロジエ原発で砲撃などの戦闘が続いていることから、大規模な原発事故災害が発生することに懸念が高まっている。ウクライナへの軍事侵攻後の露軍の原発施設への攻撃や占拠は、国際法違反であり許すことはできない。

【社説】岸田改造内閣 国難打破へ遅滞許されぬ

岸田文雄首相が内閣改造・党役員人事を行い、第2次岸田改造内閣が発足した。閣僚19人のうち14人を入れ替えて刷新イメージを出した一方、ベテランを起用することで安倍晋三元首相の死去により不安定になった政権を安定化させようとする思惑がにじみ出ている。

【社説】KDDI障害 業界挙げて緊急時の対策を

総務省が7月上旬に大規模な通信障害を起こしたKDDIと子会社の沖縄セルラーに対し、金子恭之総務相名で行政指導した。この中で障害を「重大な事故」と認定し、再発防止策や障害時の周知方法改善などについて11月10日までに報告するよう求めた。消防や警察への緊急通報がつながりにくくなったことも大きな問題となった。国と通信各社は緊急時に他社の通信網に乗り入れる「ローミング」の導入など対策を急ぐべきだ。

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