日米首脳会談が米ニューヨークで開かれた。高市早苗首相は国連総会出席に合わせ、第2次改造内閣発足直後にトランプ大統領との会談を実現した。しかも米中首脳会談の直前というタイミングであり、その意義の大きさを日米双方の当局者が強調している。緊密な連携を通じて日米同盟を一層強化し、極東・アジア地域の安定につなげたい。
経済安保協力などを確認
会談は、中国の習近平国家主席が訪米する前日の22日に設定された。軍事力を急速に増強し、太平洋での影響力拡大を図る中国の海洋進出に対し、わが国は日米同盟を基軸として極東地域の自由と秩序を守る堅固な砦(とりで)とならなければならない。
首脳会談で首相は、「今回の会談自体が世界に向けて日米同盟の強さを示すことになる」と述べた。また、改造内閣で留任した茂木敏充外相、小泉進次郎防衛相、片山さつき財務相、赤沢亮正経済産業相らについて、米政権側のカウンターパートとの継続的な関係を説明し、対米重視の姿勢を印象付けた。
会談では、米中首脳会談を前にした日米連携、人工知能(AI)や半導体、重要鉱物を巡る経済安全保障協力、日米同盟の抑止力・対処力の強化、関税合意の着実な履行、北朝鮮の邦人拉致問題での米国の日本支持などが確認された。
約30分間の会談だったが、各国首脳が一堂に会し、国益を懸けた外交が繰り広げられる国連総会の一般討論演説に合わせて揺るぎない日米関係を示した意義は大きい。現状維持にとどまるように見えても、地域の持続的な安定を支える土台となる。首相が指摘したように、国際社会は現在「非常に厳しい安全保障環境」に置かれている。予期せぬ事態が起こり得るだけに、警戒を緩めることはできない。
その一例が米国と北大西洋条約機構(NATO)の関係だ。第2次トランプ政権の発足時から米国は欧州加盟国に国内総生産(GDP)比5%の国防費負担を求め、欧州側は反発した。しかし、ロシアによるウクライナ侵略と核の威嚇が続く中で、安全保障上の脅威は増大している。欧州諸国は自らの防衛力強化を迫られているのが現実だ。
一方、日本は憲法9条の下で専守防衛を基本とし、在日米軍との協力による日米安保体制を維持している。防衛費をGDP比2%へ引き上げる取り組みを進める一方、国際秩序の維持に向けては「法の支配」の重要性を訴え続けている。
もっとも、見解を異にする問題もある。その典型がトランプ政権による国際刑事裁判所(ICC)制裁を巡る動きだ。首相は国連総会でICC支持を表明し、首脳会談でも率直に意見を交わしたという。同盟関係を重視しながらも、主張すべきことは主張する姿勢が重要だ。
対中牽制で平和を守れ
中国を日米同盟によって牽制(けんせい)する必要があるのは、沖縄県・尖閣諸島や南シナ海を巡り、中国が海警船の活動などを通じて力による現状変更を試みているためだ。地域の平和と安定を守るためにも、「法の支配」の原則に基づき日米同盟の抑止力を一層強化しなければならない。







