トップオピニオン社説出生動向調査 結婚意欲の減退は深刻だ【社説】

出生動向調査 結婚意欲の減退は深刻だ【社説】

 2025年の出生動向基本調査で、未婚男女の2割以上が「一生結婚するつもりはない」と回答した。この傾向が進めば、人口減少、少子化がさらに深刻化し、日本は衰退の一途をたどるしかない。これを重く受け止め、少子化対策を根本から立て直す必要がある。

新生児のイメージ
新生児のイメージ

「趣味優先」が影響か

 調査は、ほぼ5年に1回、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が行っており、今回は昨年6月、全国の独身者6756人と夫婦5024組から回答を得た。このうち18~34歳の未婚者3459人を対象とした調査で「一生結婚するつもりはない」との回答が、男性24・0%、女性21・5%に上った。前回21年の調査と比べて、男性6・7ポイント、女性6・9ポイントの増加となり、02年の男性5・4%、女性5・0%と比べると20年余りで4倍以上に急増している。

 「結婚に利点がない」と回答した未婚の男性は42・8%、女性は36・0%で、いずれも前回に比べ約7ポイント増えている。事態は極めて深刻である。若者の婚姻がこのまま減っていけば、少子化傾向の反転など望むべくもない。児童手当の拡充を柱にした子育て世帯への支援策の効果も、極めて限定的なものとなる。

 結婚を望む若者を経済的にバックアップする方向に少子化対策の力点をシフトするのは当然としても、若者の婚姻意欲自体が低下していることへの対策が必要だ。

 社人研は若者が結婚に魅力を感じなくなった理由を「趣味や娯楽を優先する生活様式の多様化が影響している」と分析している。調査では、「異性との交際を望まない」と回答した未婚の男性が35・7%、女性も35・3%に上った。極めて憂慮すべき事態と言わなければならない。

 人間の自然な本性として成長すれば異性への関心が芽生えるものだ。それが実際の交際へと向かないのは、さまざまな理由があると思われるが、ここ10年ほどで若者たちの趣味や娯楽がバーチャル(仮想)空間が中心となったことが影響している可能性もある。

 少子化が日本以上に深刻な韓国の25年の合計特殊出生率は0・80で日本の1・14を下回り世界最低水準だ。しかし、少子化対策の司令塔として24年に人口戦略企画部が新設され、対策に取り組んだ結果、出生率は徐々に上向いている。

 日本生産性本部と大韓商工会議所で構成する「日韓少子化対策交流委員会」が日本と韓国に住む20~39歳の若者計4000人を対象に行った調査では、韓国の未婚の若者で「結婚する意思がある」と回答したのは81・4%で、日本の57・6%をかなり上回った。

 結婚するために必要な条件としては「本人と配偶者の雇用と収入の安定」が日韓共に最多だった。だが日本の場合は、若者たちの生活様式や価値観が大きな問題として横たわる。

多様性容認の風潮払拭を

 結婚や性の多様性を認めることが人間的で進んだ考えという風潮が、人間の自然な本性までも歪(ゆが)めつつある。この誤った風潮を教育現場、社会全体から払拭していかなければならない。

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