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商品の不正転売 対策と並行しモラル喚起を【社説】

 回転ずし大手「くら寿司」が人気キャラクター「ちいかわ」とのコラボキャンペーンを中止すると発表した。フリマサイトでコラボ商品が大量に出品され、社内調査したところ、従業員による横領が判明したためだという。悪質な転売行為への対策が求められる。

アプリでお気に入りの商品を探すイメージ
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SNSを通じて発覚

 従業員が具体的にどのような不正行為を行ったのか、規模や店名などの詳細は明らかにされていない。くら寿司はメルカリと連携し、不正に入手された疑いのある出品の削除などの対応を進めているとしている。

 今回の騒動はSNSを通じて発覚。くら寿司で会計時に行える抽選の際、入手できるコラボ商品に偏りがあるといった投稿が相次いだ。くら寿司側も問題視し、事実関係の調査を進めていた。

 本来は30日まで行われる予定だったコラボの中止後、くら寿司は当事者への法的措置を検討するとともに「二度とこのような事態を起こさぬよう、社内管理体制の抜本的な見直しを進めてまいります」と謝罪した。

 不正を犯した従業員は個人か複数人なのか、実際のコラボ商品の管理はどうなっていたのか、管理方法に抜け穴があったとすればどんな点だったのかなど、徹底調査と再発防止の努力が不可欠だ。

 X(旧ツイッター)で連載中の漫画「ちいかわ」は現在、日本のみならず海外での人気もあるビッグコンテンツであり、7月には初の映画も公開されて話題となった。だからこそ、今回の騒動が与えた波紋と衝撃は大きかった。経済的損失にとどまらず、今後の日本全体のタイアップ企画自体に負の影響を及ぼしかねない。

 くら寿司が初めて「ちいかわ」とのコラボ企画を行ったのは2023年2月で、それから毎年実施している。横領が常態化していた可能性もある。その点も明らかにしなければならない。

 コラボが中止となった現在も、メルカリ上で「ちいかわ」「くら寿司」と検索すると、大量のコラボ商品が出てくる。提供され始めたばかりのオリジナル湯飲みの出品も多く、イラスト全4種がそろった湯飲みセットが2万円前後で売られているケースもあった。

 転売問題がクローズアップされるようになった大きな要因は、個人間取引を容易にしたメルカリをはじめとするフリマサイトの登場だ。不正を働いた人物に悪用されてしまうリスクがあるのであれば、サイト運営側も異常な取引の早期発見や早急な取引停止などに向けた対策を検討する必要があるだろう。個々の責任問題とせず、社会的責任として転売リスクの軽減に取り組むべきだ。

消費者の行動で抑制を

 転売という行為自体は違法ではない。だからこそ、対策と共にモラル喚起も求められるだろう。消費者側に、転売品を買わない、不審な出品を見つけたら企業側に通知するといった積極的な行動があれば、悪質な転売の抑制につながる。企業側も転売対策を講じたり、転売の通報に早急に対処したりするなど、モラル重視の対応をすべきだ。

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