トップオピニオン社説国民民主代表3選 野党第1党へ好機をつかめ【社説】

国民民主代表3選 野党第1党へ好機をつかめ【社説】

 国民民主党は代表選挙を行い、玉木雄一郎代表が3選を果たした。中道改革連合の解散が決まり、野党勢力が細分化して多党化が進む中、国民民主がどのような存在感を発揮するのかは、今後の与野党関係を占う上で重要なポイントとなる。

記者会見する国民民主党の玉木雄一郎代表=8日、国会内(時事)
記者会見する国民民主党の玉木雄一郎代表=8日、国会内(時事)

政策軽視の合流はせず

 玉木氏は2029年9月までの任期を「政権準備期間」と位置付けた。対抗馬の橋本幹彦衆院議員との論戦でも、両者は国民民主を自民党に代わる選択肢へ成長させる必要性を強調し、次期衆院選での政権交代への挑戦を訴えた。

 玉木氏が注目を集めたのは、公明党が自民総裁に選出された高市早苗氏に連立離脱を通告し、連立組み替えを巡って政権入りが取り沙汰されたためだ。また、保守層の離反を招いた石破茂前内閣の下で行われた一昨年の衆院選と昨年の参院選で、国民民主はいずれも2桁議席へと躍進した。「手取りを増やす」のスローガンを掲げ、「年収の壁」の引き上げやガソリン減税を訴え、支持を拡大した。

 それでも国民民主は、衆院28議席、参院25議席にとどまる。しかし、中道と立憲民主党、公明との合流構想が頓挫したことで、相対的に存在感は増している。中道は立民系1議席を除き、立民系20議席と公明系28議席に分かれる見通しだ。

 この結果、衆院では国民民主が公明と並ぶ議席数となり、野党第1党に浮上する。さらに立民系議員が1人でも加われば、単独で野党第1党となる可能性もある。各党代表質問をはじめとする国会運営で発言力を高め、報道面でも野党側の中心として扱われることになる。

 中道から分かれる立民系と公明系は、統一会派を結成して野党第1党の立場を維持しようとしている。が、3党合流失敗の背景には政策上の隔たりがある。特に安全保障政策や原子力発電を巡って基本的な立場が異なる政党同士が統一会派を組むことも、有権者から見れば単なる数合わせとの批判を免れまい。

 この点について玉木氏は「安易な合従連衡にはくみしない」と述べ、党の政策を訴えることで支持を拡大していく考えを示した。「野党がばらばらでどうする」との声もあるだろうが、政策を軽視した離合集散を避ける姿勢は評価できる。

 中道が発足からわずか8カ月足らずで分裂する現状を踏まえ、野党再編の動きに対しても選挙目当ての野合との見方が強まっている。「多弱」と評される野党の中から、実力で支持を広げ、自民に政権交代を挑む勢力が現れるなら、有権者の評価も変わるだろう。

 臨時国会では、高市政権が進める食料品の2年間限定の消費税減税法案を巡って、国民民主がどのような対案を示し、どこまで国民の共感を得られるかも焦点となる。

明確な国家像を示せ

 一方で、党綱領は「自由」「共生」「未来への責任」を基本理念に掲げるものの、民進党時代と大差ない抽象的な内容にとどまっている。政権を目指すのであれば、日本の未来をどう描こうとしているのか、より明確な国家像を示すべきだ。

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