トップオピニオン社説非婚の若者増加 「多様性」は結婚意欲削ぐ【社説】

非婚の若者増加 「多様性」は結婚意欲削ぐ【社説】

 未婚の若者のうち35%が結婚したいと思っていないことを示す調査結果が出た。子供の数が減る要因の一つである非婚化がさらに進むことが懸念される。

 若者の結婚意欲を高める教育の重要性を示す調査結果と言える。性の多様性や選択の自由に重点を置く学校教育は抜本的に見直す必要がある。

「結婚のつもりない」35%

こども家庭庁は今年5月から2カ月半かけ、若年層が抱える課題を探ることを目的に、15歳から39歳までの男女約10万人を対象にしたウェブアンケート調査を行った。回答者は男性36%、女性62%と偏りがあるなど、今後精査が必要だが、注目すべき点がある。未婚者に結婚意欲について尋ねたところ「結婚するつもりはない」とした割合が35・1%に達したことだ。

 わが国の50歳時未婚率(生涯未婚率)は現在、男性が28・25%、女性が17・81%だ。団塊世代では概(おおむ)ね男性10%、女性6%だから、いかに未婚化が進んでいるかが分かる。将来的にはさらに進み、男性3割超、女性2割になると予想されるが、今回の調査は未婚率がその予想を上回る可能性があることを示唆するものだ。このままでは少子化がさらに進むのは間違いない。

 一方、「結婚のハードル」については、40%が「安定した結婚生活を送れる収入への不安」を挙げて最多だった。経済的な要因から結婚を諦めている人が多いのは事実で、新生活を始める際にかかる住居費などを補助する結婚助成金にはニーズがあると言える。

 だが、経済的理由だけで結婚意欲を持たない未婚者が増えているわけではない。調査では「結婚するつもりはない」とした人のうち「結婚したいとは思わない」と、非婚に強い意志を示した人が53・1%も占めている。

 結婚に背を向ける人が増えるのは、社会の維持・発展にとって極めて深刻な事態だが、内面的な要因は一朝一夕に改善できるものではない。家庭・学校・社会を含めた長期的な教育的課題と言える。

この観点から、学校教育の現状を見ると、結婚に希望を感じる教育とは真逆に、教科書が改定されるごとに、結婚を相対化し、結果として意欲を削(そ)ぐ内容が増えている。「性の多様性」についての記述のことだ。

 今年度から使われている『公共』(教育図書)を例に取ると、同性婚訴訟についての解説で①全ての人が出生時の性別のまま生きる②人はみな異性を好きになる――というのを挙げ、この「二つの虚構」が社会に浸透している、と記述する。

 自己の性別に違和感を持つ人や同性に性的魅力を感じる人がいるのは事実だが、①②を虚構と表現するのはどう考えても行き過ぎである。男女の結婚関係と同性カップルの関係を同等と誤解させる教科書では、生徒から結婚への意欲を奪ってしまうだろう。

夢と希望持てる教育を

 次期学習指導要領の改定作業が進むが、過激な性の多様性教育を止(や)めさせるとともに、児童・生徒が結婚に夢と希望を持てる教育の推進を学校教育の共通事項に掲げるべきである。

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