きょうは「防災の日」。この夏も熊本地震、千葉県の豪雨など大規模な自然災害が相次いだ。地震や地球温暖化を背景に頻発する豪雨などに備え、災害に強い国づくりを加速しなければならない。

「副首都」創設法が成立
大正12(1923)年9月1日に起きた関東大震災では、死者・行方不明者が10万5000人を数えた。戦後も2011年の東日本大震災をはじめとした大地震がたびたび発生し、多大な犠牲を出した。これらに匹敵するか、あるいは上回る被害が想定される南海トラフ地震、首都直下地震など国難級の大地震への備えを急ぐべきだ。
災害に強い国づくりのため、政府と地方自治体が計画を進めているが、今後起こり得る巨大地震を想定した国土強靭(きょうじん)化のグランドデザインを作り直す必要があるのではないか。
7月に「副首都」創設法が成立し、首都機能を地方移転し大災害時に国家機能を代替させる方針が決まった。副首都をどこに、どのように置くかは今後の重要な検討課題だが、あくまで危機管理が目的であることを踏まえて、最もふさわしい都市を選定すべきである。
東京一極集中からの脱却効果も期待される。副首都選定はさまざまな利害が絡む問題だが、できるだけ早く決定して機能移転を進める必要がある。
巨大地震が発生した場合も、復旧・復興に速やかに取り掛かる体制を構築すべきだ。そのためには、道路や鉄道の交通網が機能しなければならない。東京から大阪までを結ぶリニア中央新幹線、京都・大阪までの延伸が計画される北陸新幹線は、国土強靭化の一環として建設を推進すべきである。
24年の能登半島地震では、船舶による支援も大きな役割を果たした。海上からの支援体制も充実させる必要がある。
国土強靭化は重要だが、巨大な防潮堤を造るなどハード面に偏ってはならないだろう。災害対策の司令塔として「防災庁」が11月にも設置される予定だ。総合的な防災対策を立案するとともに、災害にしなやかに対応するソフト面の強化が重要になってくる。ある地域で大災害が発生しても日本全体でそのダメージを吸収し、復旧・復興へと進むには、省庁間、自治体間、そして官民の連携がますます重要になる。
防災庁が設置する地方拠点には、23道府県が誘致に意欲を示している。日本海溝・千島海溝地震、南海トラフ地震の想定地域内に1カ所ずつ設けたいとしているが、巨大地震に限定する必要があるのか。温暖化の影響で、台風や豪雨の被害もこれまでの想定を超えるようになっている。特に豪雨は、日本列島のどこでも発生する傾向が強まっている。そういう観点からも拠点を増やすべきだろう。
命守ることを第一に
自然災害の多発によって日本人の防災意識は高まっている。災害発生時は命を守ることを第一に行動することが大切だと改めて肝に銘じておきたい。またこの機会に、飲料水や非常食の備蓄など身の回りの物をもう一度点検しておきたい。







