トップオピニオン社説4~6月期GDP やはり消費税減税が必要だ【社説】

4~6月期GDP やはり消費税減税が必要だ【社説】

 4~6月期の実質国内総生産(GDP)速報値は年1.1%増と、内需のマイナスを外需が支え、何とかプラス成長を維持したものの、民間エコノミストの事前予測(平均年2.1%増)から大きく下振れした。

 所得環境が悪くないにもかかわらず、内需が弱い状況は自律的な回復力が乏しいことを裏付ける。高市早苗政権が来年4月に実施する消費税減税は、必要かつ時宜にかなっている。

所得環境いいのに低迷

 内需の柱である個人消費は前期比0.02%減と8期ぶりにマイナスに転じた。自動車税の「環境性能割」廃止で自動車販売が増えたほか、来年4月のエアコン省エネ基準厳格化に伴う駆け込み購入の広がりが消費を下支えしたが、たばこ販売の加熱式値上げによる減少、気温の上昇で暖房の電気使用量が減ったことなどが下押し要因となった。

 下支え、下押しの両方に一時的な特殊要因が重なったため、4~6月期の個人消費の内容の判別には難しさがあるが、実質賃金が6カ月連続プラスという所得環境の良さを考慮すれば、力強さのなさは否定しようがないだろう。

 その大きな理由は、やはり中東情勢を背景とした原油高や原材料高である。中東情勢に正常化の糸口が見えない中、物価は当面さらに上がる可能性が高いとして、家計が日常的な支出を必要最小限に抑える節約志向から抜け出せないのである。

 原油高の家計への影響は、食料品の値上げという形で現実化しつつある。帝国データバンクによると、主要食品メーカー195社の8月の食料品値上げ数は2311品目と前年同月比8割増と急拡大(7月31日発表)。9月も4531品目が値上げの見込みで、年間では前年(2万609品目)を上回る可能性もあるという。

 設備投資も1.2%減と2期連続マイナスで冴(さ)えない。デジタル化需要は根強いものの、減少したのは製薬会社による海外への特許譲渡に伴う押し下げという特殊要因があったからだが、識者の間には、個人消費と同様、中東情勢を受けた心理面の悪化が投資意欲を想定以上に抑制したと見る向きもある。

 懸念されるのは、原油価格上昇の家計への影響が本格化するこれからである。そうした環境の中で今後、内需に自律的な回復力が望めるかどうかである。

 所得環境自体は前述の通り、悪くない。にもかかわらず、消費は予想外の体たらく。これが意味するのは、現状のままでは改善は覚束(おぼつか)ない、逆に言えば、何らかの対策が必要不可欠ということである。

節約志向打破に不可欠

 その意味で、高市政権が来年4月から実施する食品の消費税率1%への減税は理に、また時宜にかなったものと言える。

 減税は、食品値上げの主因が原材料高や物流、人件費といったコスト要因のため、値上げ圧力を直接的に抑制する効果は限定的だが、家計の日常不可欠な食費負担を一定程度軽減する効果が期待でき、節約志向打破の突破口になり得る。以前の社説で「消費のギアチェンジを見たい」としたのもこの点である。

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