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個別学習課程 社会で生きる力を育みたい【社説】

 文部科学省は不登校生に個別学習課程(カリキュラム)を編成できる特例制度を取りまとめ、中央教育審議会の作業部会で案を示した。

 学び切れないまま進級し〝落ちこぼれ〟になった児童・生徒に、下の学年の学習への取り組みを認め、成績評価の対象にするというもの。

個別指導を行う教師
個別指導を行う教師

1学級に不登校1~2人

 不登校の児童・生徒は増加し続けている。不登校の原因は「先生・友達など、学校での人間関係」「学校での習慣に慣れない」「いじめに遭い登校がいや」「経済的に苦しい」などさまざまで、解決策は一様ではない。

 2024年度における小中学校の不登校児童生徒数は合計35万3970人で、前年度の34万6482人から増え、12年連続で増加している。25人に1人が不登校という計算で、35人学級なら1~2人が不登校、〝予備軍〟を含めるともっと多いと考えられる。

 一人ひとりの頑張りを評価するシステムで学び続ける意欲を損なうことなく、生涯学ぶ意欲の向上につなげたいものだ。

 特例制度の対象者は休み始めや回復期の小中学生で、虐待や貧困など複雑な事情を抱えた児童・生徒は想定していない。支援があれば学習できる状態か把握した上で、学校や教育委員会が対象とするかどうかを判断する。カリキュラムは学校が対象者の状況に応じて編成し、家庭の意向を踏まえながらということにしている。

 現在は学校単位で独自のカリキュラムを編成できる「学びの多様化学校」がある。しかし、一人ひとりの子供に合わせた指導は十分ではなかった。

 現行制度では在籍学年のカリキュラムに沿った学習のみが評価の対象で、下の学年の内容を学び直した場合、評定は「1」や評価ができないことを表す「-」「/」となることが多い。一方、特例制度では従来の評価と区別するために「5※」といった表記で評定を付けられるようにする。

 特例制度による成績評価をどのように扱うかは各自治体が判断する。ただ、取りまとめ案は「評価内容は高校入試の中で適切に勘案されることを目指すべき」だと指摘している。特例制度は次期学習指導要領に盛り込まれるが、要領実施を待たずに始める方針だ。

 不登校の子供を無理に教室へ戻せばいいという話ではない。保護者や学校の教員との関係がこじれる児童・生徒もいる。不登校から学校(教室)に戻る確率は、小学生が約45%、中学生が約35%と言われている。

 ただし「別室登校」を含めると確率は上がり、一方で元の教室に戻っても約7割が再び休むことを経験するというデータもある。

二者択一が大事ではない

 通信制高校やフリースクールによって救われる子供もいるが、全てではない。大事なことは「学校へ行くか、行かないか」という二つの選択肢に縛られることではない。その子が将来、社会の中で生き抜く力を養い、生涯の学びの場を確保するにはどのようにすればいいかを考えることが求められる。

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