トップオピニオン社説皇室典範改正案 今国会成立へ集中審議を【社説】

皇室典範改正案 今国会成立へ集中審議を【社説】

 政府は皇族数確保に向けた皇室典範改正案を閣議決定し国会に提出した。わが国皇室の将来を揺るぎないものとする重要法案である。粛々と審議を進め今国会で成立させたい。

自民党の「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」などの合同会議で発言する麻生太郎副総裁(左から3人目)=26日、東京・永田町の同党本部(時事)
自民党の「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」などの合同会議で発言する麻生太郎副総裁(左から3人目)=26日、東京・永田町の同党本部(時事)

 「養子皇族男子」を新設

 改正案は、①旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える②女性皇族が結婚後も皇室に残る――の二つが柱だ。

 養子縁組については、養子を禁じた9条を修正し、6章「養子皇族男子」を新設。戦後、連合国軍総司令部(GHQ)によって廃された旧11宮家の15歳以上の男系男子を対象と定めた。養親の範囲は親王、親王妃、内親王、王、王妃、女王とし、皇嗣・皇嗣妃は除外される。

 重要なのは、養子本人は持たないが、養子から生まれた男子は、皇位継承順位を記した2条の適用を「実方(養子の実家)の系統によるものとする」と記述し、皇位継承資格を持つことを明確にしたことだ。

 女性皇族については、婚姻時の皇籍離脱を定めた12条を削除し、本人は皇室に留(とど)まる。ただ夫と子は一般人のままとなる。付則として、改正典範施行時の女性皇族は、結婚時に本人の意思で皇室に残るかどうかを決められることが記されている。また付則には、皇族数確保の状況を勘案し、30年ごとに見直すことが盛り込まれている。今日の社会通念に照らしても妥当な内容と言える。

 養子から生まれた男子が皇位継承資格を持つとしたことに対しては、一部野党が「立法府の総意」にはない内容だと反発している。しかし、改正案は皇位継承のルールの変更には触れておらず、現行典範から導き出される結論を述べたものだ。「だまし討ち」と言う立憲民主党の水岡俊一代表の批判は、自身の不勉強を示すものでしかない。

 旧宮家男子の養子縁組が可能となり、将来皇位につかれる悠仁殿下をお支えする同性の皇族が確保されることの意味は大きい。また男系継承をより安定的にすることは、「立法府の総意」に「わが国の歴史・伝統を踏まえ」とあることと合致する。

 自民党の鈴木俊一幹事長は、中道改革連合の階(しな)猛幹事長と会談し、衆院議員の定数削減法案、「副首都」関連法案などの審議を中断し、皇室典範改正を最優先で進める方針を確認した。重要度から言って当然である。

 国会は7月17日に会期末を迎える。参院通過が難しくなる可能性を念頭に、会期延長論も出ている。延長してでも今国会で成立させるべきである。野党は与党の国会運営を強引と非難し、メディアや世論への印象操作に力を入れるのではなく、正々堂々と議論すべきだ。

 皇族数確保策については、長い年月をかけて論じられてきた。政府有識者会議が報告を提出してから既に4年半が経過している。これほど時間が経過したのは、その後の自公政権の怠慢と一部野党の姑息(こそく)な議論引き延ばしによるところが大きい。

 これ以上先延ばしできぬ

 国民統合の象徴たる皇室の安泰のために、皇室典範改正をこれ以上先延ばしすることはできない。今国会での成立へ全力で取り組むべきだ。

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